第2話 東海斗という男

Side東



俺の名前は東海斗。ありとあらゆるやつに、「とうかいさーん!」と言われてきた男。違う。いや、そう言いたくなる気持ちはわかる。だが事実として、俺の名前は東海斗あずまかいとなのだ。いいか?あずまが苗字で海斗かいとが名前だ。今教えたからな?絶対間違えんなよ?



話は変わるが現在俺の年齢は15歳で、本来なら義務教育中なので中学校に通わなければいけない年齢だ。

だが俺は今、中学校には行かずとある組織に所属している。

それが、「コクレングントクシュサクセングンダイゼロブタイイッパン」だ。

え?早すぎて聞き取れない?しょうがない、もう一度言ってやろう。

「コクレングントクシュサクセングンダイゼロブタイイッパン」だ。



読者「ガッドンッギンッドンッ!!」



ずびばぜんでじだ。

いやちょっと早口言葉してみただけなのに酷…あっ、いやはい俺が悪かったです。



気を取り直して、「国連軍特殊作戦群第零部隊一班」だな。「国連軍 特殊作戦群 第零部隊 一般」これで多少見やすいか?

大体第零部隊としか言われないが、正式名称はこれだ。所属している俺も思う。なげーな。

それで、この組織は何を目的とするかというと、「霊種討伐及び世界各国の霊種被害者支援」だな。さて、ここで疑問に思っただろう。「霊種ってなに?」



説明しよう!霊種とは、わからん!!

そう、わからないのだ!

まずみんなは魔力というものが何かわかるだろうか?まあ雰囲気でわかるな!それで、魔力とは「よくわからないエネルギー」ということを念頭においてくれれば、最初の言葉の意味がわかると思う。



霊種についてはほとんどわかっていないが、一つわかっていることがある。

それが、霊種は魔力の塊ということだ。現在1番有力視されている仮説は「霊種とは、人間が感情の昂りによって出した多量の魔力が、魔力を出した人間の感情を伴って具現化したもの」らしい。

霊種の大元である魔力というエネルギーがよくわかっていないのだから、当然のごとく霊種についてもよくわからないのだ。

だが重要なのはよくわからないこと、ではない。

最も重要なことは、霊種が人間に害をなすことだ。先人がこれを見過ごしていたら、おそらく世界人口は現在の半分にまでなっていただろう。だが先人たちは懸命にも対抗した。

例えば————






ビービービーッ






『長野県でD級霊種が出現。C級以上の隊員は急行せよ』







おっとしまったしまった

現在俺、というか俺たちは第零部隊日本支部にいる

この警報は霊種の出現を示すものだ

すなわち、出動というわけだな


“D級”“C級”という言葉が出たが、これは討伐後に説明しよう

今は一刻も早く討伐することが求められる







「さて、仕事だ———」

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第零部隊 @tsunamaya

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