二章03話 新たな|金髪白肌虹瞳《アルコパーナ》達
[newpage]#01 生まれた赤子
キーノの侍女であった、ナスターシャの姉、女騎士アベリアの遺伝子と身体情報を実装し、多様性幹細胞を受精した卵細胞として、
「おんぎゃぁ、おんぎゃぁッ・・・」
「生まれたよ、元気な女の子だ」
赤子の泣き声が、響き渡ったことで、アンデッドであった、女騎士アベリアは、
「実験としては、成功・・・キーノ」
「・・・はい。意識を持たない、徘徊している、アンデッドは、転生はできるんですね、クミコ姐」
白麗の骨格ををした、アンデッドの最上位、オーバーロードなサトルが、白い布に包まれた、アベリアを抱き上げながら、
「凄い、動いてますよ、クミコさん」
白い白磁のような、細い骨の指を、アベリアの小さな手が、握りしめていた。
「あ、握った、握ってくれました。可愛いです」
サトルは、赤ん坊を弄り、はしゃいでいた。
「サトル、子供は、これから増えるんだ、今からそれじゃぁ大変だよ」
「え、キーノ。うん。わかってる、でも可愛いんだ」
サトルにとっては、初めての子供だ、リアル世界では見ることができない。西暦2138年のリアル世界は、生まれてから半年は、病院に預けられて、赤子は保護される。しかしながら、保護期間中の費用は、両親の借金となり、両親が借金を拒否すれば、赤子は孤児となって孤児院に預けられる。
リアル世界では、赤子を親が育てるのは、金持ちでなければできない。
[newpage]#02 アンネ・ファスリス・インベルン(CV:クミコ=ぶくぶく茶釜)
アンネ・ファスリス・インベルン陛下によって、前世と同じ、アベリア・キニスキーという名を付けられ、インベリア王国の王城で育てることとなった。住民すべてが、アンデッドになって徘徊する、王都インベリアルの王城からは、徘徊するアンデッドは一掃されていた。
白麗の骨格、
しかし、「アンデッド作成」を使うと、遺伝子と身体情報が喪われるので、本人の遺伝子と身体情報を保管した上で、「アンデッド作成」を進めていった。
『キーノ。保管はするけど、全員は、厳しいからね・・・』
クミコは、サトルに聞かれないように、キーノと念話で会話する。
「はい」
小声で、キーノが応える。
王都の人口は、十万人を超えたくらいで、女性を優先しても、かなりの歳月がかかる。
赤子が泣き出したので、アリシアがサトルから赤子を受けとって、横になっていたグラズン・
「愛しいかい、
「はい。無縁と思っていたので」
人間としての人生も短く、アンデッドで二百年以上暮らした、グラズン・
かつて、女騎士であったアベリアが、遺伝子と身体情報が同じで、別の人間として生を受けた場合、倫理的にどうなるかはともかくとして、新たな生を得たのは間違いなかった。滅び去ったハズのインベリア王国の血を、
[newpage]#03 赤子達が生まれて・・・
インベリア王国の王城に、子供達の声が、溢れるように響いていた。すべてが、
アンデッドとなった者達は、もはや元には戻れない・・・それでも、転生を図ることはできる。
「どう、思う・・・
研究室に籠る、
「御姐様。私自身もですが、魂は同じではない・・・そのように感じます・・・
グラズン・ロッカから記憶を喰らって、グラズン・
数十人の子供達の中には、旅をしている中で、引き取った
遺伝子と身体情報は、あくまでも物理情報に過ぎない、魂という本人の情報は、肉体という魄には本人が刻まれていないということらしい。
今日は庭の芝生で、子供達は、敷物を引いて、サンドイッチのような携帯食で、昼食となっていた。
「「「「「いただきます」」」」」
子供達の声が響いていく・・・・食事を終えると・・・
「「「「「ごちそうさまでした」」」」」
子供達の教育には、日本語が使われて、漢字と平仮名が用いられて、教えられていた。
“深淵の躯”が集めていた、膨大な研究書類も、徐々に日本語に訳されて、原書と共に王城の書庫に保管されていた。
異世界補正か何かは不明だが、この世界では、言葉に不自由はしない。ただ、読み書きは、ほとんどの住民が、読み書きできないこともあって、記録された文書は、ほとんどが読むことができなかった。サトルが持っていた、魔道具の
「何故か、数字は、中央諸国家でも、使ってるのよね」
「はい、御姐様、八欲王以来と、言われています」
この世界でも、リアル世界で使われていた数字が使われていて、八欲王がこの世界を支配して以来、数字が使われるようになった、そんな伝承が伝わっていた。
「八欲王ねぇ・・・」
たぶん、プレイヤ、しかもトップクラスのギルドが保有していた、天空城に類似していた。竜王達との戦いの結果として、勝利して世界を支配したけれど、仲間割れで滅び去ったと伝えられている。ギルドAOGがこの世界に来た時、争わないという保証は無い、あけみにやまいこ姉が残っていたら、そんなことにはならないと思うけど、ギルメン同士が争ったら滅びることになる。今のところ、ギルドAOGとNazarickについては、情報が何も無い。
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