一章15話 王城の調査

[newpage]#01 王城の清掃作業・・・

 敵を索敵しながらの調査は、結構、面倒であった。王城は広く、召喚した下級うアンデッドやピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeの分体を寄生させ、城に居た粘体スライムを使って、調査するのと城内の清掃を進めていた。

『広いわねぇ・・・本物の城って』

『そうですね、他には、敵は、居ないようですね』

 キーノ父親を、謁見の間に、女騎士や侍女となった、アンデッド達と一緒に連れて、扉を封印しておいた。


 アンデッドとなっていた騎士は、サトルが、中位アンデッド作成Create Undeadで、徘徊するアンデッドをデスナイトやデスウォリアを召喚すると、Undeadに乗り移るような形で、デスナイトやデスウォリアが召喚されて、時間制限が無く活動することはできる戦力になった。

 中庭では、人間体となった女騎士「アゼリア」をピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeが、並列思考で動かして、サトルの作った、アンデッドの軍団を使った、戦闘訓練を行っていた。


[newpage]#02 お茶とお茶菓子

 アンデッドが使っていた、執務室に、資料を持ち込んで、人間体となった、「サトル」と「キーノ」で読んでいた。

「サトルも読めるのね」

「はい、マジックアイテム片眼鏡monocleが、使えました」

サトルが笑って応える。


 執務室に入ってくるのは、キーノの母親、王妃アンネ・ファスリス・インベルンの人間体「アンネ」を、ピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeが動かしていた。キーノの侍女だった、ナスターシャが、トレイにお茶と、お茶菓子を運んでいた。

「サトル様、キーノ様、お茶とお菓子を用意しました、お休みください」

「は、はい」

「はい」

 二人は返事して、作業を中断し、ソファーに座って、お茶会となる。

「「美味しいっ」」

お茶菓子を食べた、二人が、叫んだ。アンデッドだった数十年、食べることの無かったキーノ、リアル世界の食糧事情が悪く、まともな食料が無かったサトル。人間体となったことで、食べれるようになって、“YGGDRASIL”とは異なり、味覚や嗅覚もあるので、本当に食事を楽しむことができた。


 王城の中庭にあった演習場に、<自然の避難所Naturer's Shelter>をサトルが使って、居室として確保するのと、食料等の調達を行っていた。「自然の避難所Naturer's Shelter」は、栗や椎といった堅果類や、桃に柿等の果樹が広がるエリアがあって、食料等の調達が可能となっていた。アンデッドは、食べられないが、人間体だと、食べることができた。


 ピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeは、「ナスターシャ」を使って、“YGGDRASIL”の食材を使った調理を、試していた。

「よかったわ、二人とも・・・」

 アンネは、人間体「キーノ」を膝に乗せて、楽しそうに微笑んでいた。

 南面の庭に、「自然の避難所Naturer's Shelter」の桃や栗を植えて、成長を確認していた。


[newpage]#03 インベリア王国のアイテムと生活魔法

「イルビア・ホルダンの仮面」

建国王の長外套ロード・オブ・1st・インベルン

鷲師子王の爪ガントレット・オブ・グリフォンロード

そして、

虹よりこぼれし白ロスト・ワンド・ホワイト

第五位階魔法“復活魔法”が使えるアイテムだ。


 キーノの話では、国宝とよべるアイテムは、母親が使っていたとのことだった。

「クミコさんは、王妃アンネの身体で、魔法は使えますか」

「MPはかなり高いけど、難しいわね、着火Fireとかは使えたけど・・・」

 着火Fireは、文字通り、薪に火をつける魔法が、この世界では生活魔法という形で、使われているという話だった。私クミコは、着火FireWaterWindEarthの四種類を使って、土を耕して草を焼き、水を含ませて、桃や栗を植えていた。生活魔法の範囲は、かなり広いようで、Windを波動のように、周期性を高めて、周囲に拡散させると、周囲の状態を把握することができた。キーノは、警戒Alarmと呼んでいたが、この世界の物理法則を使った、ゼロ位階魔法のような形であった。

「サトル、応用範囲、広いわよ、生活魔法って」

「そうですね、俺にも使えるから、位階魔法じゃないかもしれませんね」

魔法も完全に、“YGGDRASIL”と同じではないようだった。


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