一章14話 王城のアンデッドを斃して
<Over Lord サトル>
[newpage]#01 王城のアンデッドを斃して・・・
クミコが創り出す、ピンク色の
王城のアンデッドは、非常に慎重に対応したけれど、結果的に言えば慎重すぎて、簡単に斃してしまった。アンデッドのレベルも「
アンデッドの装備も、そのまま、灰となった死体に残されていて、滅んでしまったと判断せざるを得なかった。
あまりにも、あっけなかったので、敵が他にも居るかと思って、王城を調査すると敵はいなくて、アンデッドの研究書が見つかった。インベリア王国のアンデッドについて、大量に調査報告書が作成されていた。
報告書は定期的に、提出されていたようで、組織的な活動をしている感じだった。
報告書と共に、組織のモノらしい、ネックレスが残されていた。
[newpage]#02 言葉と文字
この世界は、言葉は何故か通じるけれど、文字は読めなかった。数字は何故かリアル世界と同じだったりして、キーノに文字を教えてもらいながら、アンデッドの報告書や、インベリア王国の歴史諸等を、クミコさんが読んでくれて、報告書の要約を纏めて、俺に説明してくれた。
「アンデッドの組織ですか・・・」
「多分ね、王城のアンデッドは、上司か主人かは、不明だけど、誰かへ報告書として、研究成果を定期的に知らせる義務があるみたい、サトル」
報告書を、日本語で作成して、俺に読めるようにするのと一緒に、クミコさんは、キーノに日本語を教えて、キーノに日本語を理解できるようになってもらっていた。クミコがある程度、この国の文字を読めるようになったけれど、サトルは、日本語での報告書を、私クミコの解説で、理解してもらっていた。
「ごめん、俺が、文字読めなくて」
「こら、サトル。そこは、我儘で良いんだよ」
「そ、そうですか・・・」
「他国に行けば、文字も変わるだろうし・・・記録は、AOGルール日本語だろ」
“YGGDRASIL”では、世界によって、言葉が異なっていて、
「あ、そうですね、ギルドAOGは、記録は日本語でした」
DMMO-RPG“YGGDRASIL”は、母国語が日本語と異なる、プレイヤも多く、ギルメンにも居たけれど、ギルドAOGは、「
[newpage]#03 アンデッドを用いた実験の始まり・・・
王城のアンデッドは、廃都市と同様で、意思が無いアンデッドが、徘徊しているだけだった。徘徊しているアンデッド侍女を捕食して、キーノと同じように、遺伝子と身体情報から、人間体を形成しても、意思が戻ることは無く、瞳にハイライトが消えた、意思の無い人間が徘徊するだけになっていた。
ただ・・・
「お母様・・・」
アンネ・ファスリス・インベルン。キーノの母親、インベリア王国の王妃様は、人間体「アンネ」を創り上げると、人間体「キーノ」を抱きしめるようにして、離そうとはしなかった。意思が戻ったわけではなく、意思が無く徘徊し、ヴァンパイアのキーノには、何も反応はしなかった。
意思の残滓・・・完全に、意思が消えたわけじゃない・・・
[newpage]#04 アンデッドの報告書
王城に居たアンデッドが作成していた報告書は、周辺地域にも、同じようにアンデッドになった国についても、資料が作成されていた。
「周辺国を含めて、あたり一帯が全部、アンデッドに変わった、報告でょには、各地域での調査資料も入っていた」
地域の報告は、インベリア国外も対象となっていて、大量の記録が残されていた。
インベリア王国を含めた、周辺諸国家の地図?っぽいモノも、王城の執務室で発見された。
「かなり、広範囲に、調べてたみたいね」
私クミコは、アンネの姿を借り、人間体「アンネ」となって、王城の中を調べていた。
「クミコ様、母様は・・・」
「意思の残滓は、あると思うけど、キーノに反応するくらいね」
王妃の人間体「アンネ」は、同じ人間体「キーノ」の手を、離そうとしなかった。でも、「キーノ」が、アンデッドに戻ると、手を離してしまう。これでも、意思の残滓がある方で、侍女ナスターシャは、人間体「ナスターシャ」となっても、意思の残滓は感じられず、徘徊するだけの存在であった。
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