一章13話 異世界の一夜が明ける・・・
[newpage]#01 紫に煙る夜明け前
紫に煙る夜明け前・・・俺サトルは、
「相変わらずねぇ・・・」
「クミコさんですよ、Yes○リータ、Noたっちって言ったの」
「え」
応えようとする、ピンクの粘体を抱き寄せるように、
「見目が、○リータは、大人になるのを待つって」
「ふぅーん・・・」
「クミコさんは、気にしないで下さいね」
「サトル君?」
クミコは、驚いたように、
「俺は、クミコさんが、好きで、愛してます」
「私も、サトルが好きで愛してるよ」
「知ってます。ずっと、俺のために、Nazarickを使ってくれたんですね」
“YGGDRASIL”で月額課金を継続し、声優の練習場所として、Nazarick“宝物殿”を使う。魔力系魔法詠唱者でアンデッドの俺のために、ビルドを組み直して、アンデッド用回復ポーションを創るくらいに、錬金術まで取得していた。
[newpage]#02 愛の
ピンク色の
「サトル・・・」
「俺は、まだ、ガキです・・・でも、異世界で、
アンデッドに時の流れは無く、
「人の命は儚くて一瞬に消え逝くなら、一年に季節が移ろい、百年で時代が流れて、千年万年生きる身体で、愛する人生もありですよね」
「ちゃかして、良いかい?」
「構いませんよ・・・」
「キーノも一緒だよね」
「はい。Nazarickを見つけた後は、あけみさんやアルベドも、一緒ですよ」
サトルが、明るく、応える。
「サトルって、欲張りだったんだ」
「知らなかったですか、俺は、我儘で欲張りなんですよ」
ピンク色の触手が、「キーノ」の身体を、黒い遮光カーテンに包んで、抱き上げたまま、人間体「クミコ」の腕に抱かれていく。
「キーノは、サトルの中で、愛されるのを、選ぶかい?」
「はいッ、選びます」
キーノの宣言が、水面に波紋を描くように、広がっていく。
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