一章09話 世界の繋がり・・・

[newpage]#01 季節と時差

 クミコは、リアルの練習場所で、宝物殿を利用していたので、リアルとNazarick時間の時差を、ブループラネットの時計で確認していた。ギルドAOGは、第六階層を改装した時に、ブループラネットが、ヘルヘイムの経過時間に合わせて、第六階層をNazarickの標準時刻として、Nazarick暦を創り上げていた。

 階層によって、若干の時差があったが、季節等については第六階層と同じに構築されていた。

「こんな魔道具、初めて見ました」

 ブループラネットの時計は、和時計仕様になっていて、太陽の運行を基準として、時計の画面が表示されていた。

「仲間のブループラネットに造ってもらった、魔道具だよ、凝り性でね、Nazarick暦に合わせた天体の動きを、そのまま時計にしたんだ」

「じゃぁ、暦が、同じだったんですね、クミコさんの世界」

「あぁ、そうだね・・・」

『クミコさん、“YGGDRASIL”って、この世界をモデルにしたんですかね』

『もしくは、類似した世界に、引っ張られた・・・かな』

(それに、同じ世界で、季節が一緒・・・)


[newpage]#02 三つの世界・・・

 クミコは、人工世界を別の世界と接続する、実験にされた可能性も考えていた。接続してプレイヤを実験体テスタとして送り込んで、サーバを切り離しただけで、リアルな世界元の世界では、みんなが普通に生活している、そんな可能性もあるのかなという感じもあった。

 西暦2138年リアル世界

 DMMO-RPG“YGGDRASIL”

 こちらの世界

 ゲーム“YGGDRASIL”のシステムが、こちらの世界に実装されたとすると、DMMO-RPG“YGGDRASIL”が、こちらの世界に召喚されたことになる。


 こちらの世界か・・・私クミコとしては、病気も消えたし、“YGGDRASIL”世界が消えて、こっちの世界で生きるのは、問題ないんだけどね・・・リアル世界があれば、それはそれで、愚弟とかも生きてるってことだし。


[newpage]#03 お風呂である・・・

 戦い終えて、日が暮れたので、

「なぁ、キーノ、風呂は、無いのかい」

ピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeに戻って、クミコが訊くと、

「ありましたが、壊れてしまって、もう使えないです、水で洗うくらいです」

「水は、いっぱいあるねぇ・・・」

 ピンクの触手を伸ばして、水を吸い上げながら、圧力をかけて熱量を増加させて、水温を上げていく。ピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeが、大きくなって、凹んでいくように湯気に溢れてお湯が溜まっていく。

「お風呂だよ、サトル、キーノ・・・」

「え、ほんとに、お湯」「あたたかい」

 ピンクの触手が伸びて、抱き上げるように、綺麗に脱がせて、服を畳んで、キーノとサトルをお風呂に入れると、

「「え、えぇぇッ」」

サトルとキーノの声が、響いて水面を波だたせていく。


[newpage]#04 触手に抱かれる白麗な骨格Over Lord

 サトルのアカデミックローブを脱がせて、お風呂に入れて、キーノの服を脱がせて、お風呂に入れる。お湯の中で、触手が蠢くように、サトルとキーノの身体を洗っていく。

『サトル君、湯加減はどうかな』

『は、はぃ、ちょうどいいです』

 白麗な骨格Over Lordの身体は、骨の形が複雑であるけど、粘体スライムな触手には関係なく、白磁のような骨に触手を這わせて、後ろから前から、表も裏も、サトルの身体を抱き上げるように洗っていく。

 蒼い光が、頻繁に繰り返し、溢れては消えていく。


[newpage]#05 吸血姫の身体に、遺伝子と身体情報はあるか?

 裸にして抱き上げた、キーノの身体にかけ湯を流して、湯に入れる。

『どう、湯加減』

「はい。良いです。サトル様は」

 きょときょと、身体を隠すように、周囲を気にするキーノ。

『大丈夫、湯船は分けてるから・・・』

 ピンクの壁に包まれて、湯気が、周囲を靄のように包んでいた。キーノは身体を、なだらかな坂に寝かされるように運ばれて、髪を結いあげるように、頭部に洗い場を造り上げて、髪をアンデッド用回復ポーションで洗い上げる。ピンクの触手が、無数に分かれて、金髪を梳るように、アンデッド用回復ポーションで洗い上げる。

「気持ちい良いです・・・」

ピンクの触手で、頭皮をマッサージされると、気持ちよく洗い流されて、穢れが祓われていく。気持ちよさに、キーノは、少し喘いでしまっていた。

 アンデッド用の回復ポーションで、色素が抜け落ちた、しなやかで蒼白い肌を、ピンクの触手でマッサージしていく。マッサージしながら、ピンクな触手は、ゆっくりと侵蝕して、身体構造を確認する。

 遺伝子と身体情報は、細胞内に残っていたから、抽出は可能・・・

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