一章06話 普段はピンク色の肉棒な粘体、その実態は・・・
<キーノ・ファスリス・インベルン>
種族レベル:
職業レベル:
[newpage]#01 練習場所は、巨大な貯水池
王城を占拠しているという、強力なアンデッドを斃して、王城の書庫や財宝、資料の確保となると、戦闘訓練をする必要がある。
『キーノ。王城から離れていて、身体を動かせる、かなり大きな場所、魔法とかも試せる場所って無いかな』
「そうですね・・・貯水池でしょうか」
『案内してもらえるかい』
「はい」
キーノの案内してくれた、戦闘訓練の場所は、都市に水を引き込む、地下水道を歩いて行って、城からはかなり離れた、山向こうの貯水池だった。
[newpage]#02 貯水池は、透き通るくらいにキラキラしてて
大きなドーム状の建物は、今も健在であり、外側の壁から中央に向かって組み上げられたアーチ屋根には柱が無く、貯水池に間隔を開けて林立する柱は、壁を支えるように、壁に向かってアーチを組み上げていた。
「ここで、どうでしょうか・・・」
綺麗に透き通るような水が、使われずに満水で貯水されている、湖水のように広がっていた。
壁には複数の採光窓があって、日が差し込んでいて、
『綺麗ね、サトル』
『はい、本当に、綺麗です』
CGじゃない・・・本物・・・夜中に見た、煌めく星々は、幻想的で美しすぎていた。けれど、石材が積み上げられた壁、様々な砕石がモルタルに埋まっていて、人工の水辺を包んでいる姿は、人の手で組み上げられた造形美が、本物であると主張していた。
奥行100m、左右50mの広い空間に、綺麗な水が貯められていた。
[newpage]#03 ピンク色の肉棒な粘体が、声に驚く
サトルは、キーノに、
「キーノさんは、
「いえ、攻撃魔法は第二位階、
「了解。撃ってもらっていいですか、確認したいので」
「え、いいのですか」
「はい。お願いします」
「ちょ、ちょっと待って、駄目よッ」
慌てるように、クミコ=ぶくぶく茶釜が、叫んだ。
「「クミコさん」」
サトル=モモンガとキーノが驚く・・・
サトルは、クミコさんの声に、キーノは、
「サトル君は、駄目、駄目よ。あたしに攻撃して、キーノ」
そして喋った声は、サトルには、懐かしいアニメ声優をしていた、クミコ=ぶくぶく茶釜の声。エロゲがデビューで、“風海久美”という名前を声優名にして、名前を替えながら少しづつ売れるようになっていった、売れっ子声優だったクミコが、かつてと変わらずない声で喋っていた。
[newpage]#04 声優、
「話せてますよ、クミコさん・・・ライブラリじゃないですよね」
サトルが、クミコに、声優ライブラリではない、声に出ていると言葉を伝える。
声帯を移植しても、人間は同じ声にはならない、声と言うのは、人に刻まれた歴史そのもの・・・ライブラリの声だと、声色が限定されて、様々な声や、多彩な表現をしていた、クミコにとってはデビュー時のエロゲ一択なのが残念だった。
「え、そ、そう・・・ね。あぁぁあぁぁっぁあっぁぁぁぁ、あぁぁぁあぁっ・・・」
クミコ=ぶくぶく茶釜は、
[newpage]#05 声優は、声にて語り、歌い逝くを求める
声優ライブラリにはできない、
「あぁぁあぁぁぁぁぁぁ、あー、あーあー、あぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁッ、あー、あーあー、あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ、あー、あーあー」
ビブラートで振るわせて、声を確認していく・・・
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人間五十年、夢か幻か
草の葉の白露、消える
水面に揺れる、月の影、
掴もうとすれば、隙間に消える。
この世は、一瞬一瞬に、逝き散る
夢幻の如く、握れぬ真実。
滅びる前に、叫べ叫べ、無常の風に、飛ばされる前に。
金色の花も、散る
南楼の月、霞む雲間、
栄華の影、踏みつけて進む、
この道の果て、どこにある?
この世は、一瞬一瞬、消える。
夢幻の如く、握れぬ真実。
滅びる前に、叫べ叫べ、無常の風に、飛ばされる前に。
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幸若舞「敦盛」を編曲して、ミュージカルの中で、ロックに歌い上げる、そんな歌を、舞台で歌い上げた。
乳幼児死亡率がほぼ0なのに、リアル世界の平均寿命は60歳を切っていた、リアル世界は、本当に人間五十年の世界で、諸行無常が響く世界だった。百年だろうと五十年だろうと、人間の
幸若舞「敦盛」は、平家物語の一節で、祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響き有り。沙羅双樹の華の色、盛者必衰の
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祇園精舎の鐘が鳴る、その音は、無常の歌。
沙羅双樹の華が散り、儚く散る
何を掴み、何を喪う。風に散る、記憶の
握りしめれば、消えていく、春の夢の如くに、散り逝く。
強き者も、滅び逝く。光と闇が、混ざる空。
胸に響く、鐘の声、永遠は無いと告げる。
何を願い、何を残す。風に散る影。
猛き心も、静かに散る。風の中に
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声を喪い逝った私クミコは、
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