第11話 美桜VS莉子 アリーナステージでのキャットファイト

## 決戦!美桜VS莉子 - 血を沸かせる死闘

会場が爆発的な熱気に包まれた。ステージ中央には息を呑むほど美しい二人のファイターが向かい合っていた。**美桜**(ミオ)──水色のフリルブラウスに身を包んだ長身のモデル体型。キリッとした瞳が鋭く輝き、自信に満ちた笑みを浮かべている。その隣に立つのが**莉子**(リコ)──白のレースブラウスを纏った丸顔の可愛らしい少女。だがその表情は不敵な挑発に満ちていた。

「始め!」

司会者の一声とともに歓声が爆発した。

最初に仕掛けたのは莉子だった。彼女は素早く間合いを詰めると美桜の長い脚に向かって低いタックルを放つ。「ハッ!」莉子の華奢な体が信じられない力で美桜を押し倒そうとする。しかし美桜は瞬時に反応し、「甘いわね」と囁くように言って腰を落とすと逆に莉子を捕まえた。「フン!」鈍い衝撃音とともに莉子が床に叩きつけられる。「痛っ……!」

観客が一斉にどよめいた。美桜は即座に馬乗りになると拳を振り上げる。「終わりよ!」しかし莉子は笑みを浮かべながら手を伸ばして美桜の長い黒髪を掴んだ。「簡単には行かないわよ」そのまま思い切り引っ張る。

# ドロ沼の死闘

莉子が全力で美桜の黒髪を引き寄せると、均衡が崩れた。美桜のバランスが崩れた瞬間を見逃さず、莉子は素早く身体を捻り込み反転。今度は莉子が美桜の上に跨った。観客の悲鳴と歓声が交錯する。

「っぐ!」美桜が苦悶の表情を浮かべる中、莉子は容赦なく右手を高く掲げて平手打ちを叩き込む。パァン!乾いた音と共に美桜の頬が赤く染まる。しかし美桜は即座に反撃に出る——莉子の腰に巻いた腕を強く締め上げて重心を奪う。「んあっ!」莉子が短い呻き声を上げた隙を突き、再び体勢を変えた。

会場が更なる盛り上がりを見せ始めた。美桜は莉子の首元に噛みつくと同時にスカート越しに足を絡めてきた。「やめなさいこのバケモノ!」莉子が怒声を上げながら美桜の顔面を掴み返し鼻先に指を食い込ませる。二人は互いの肌に爪痕をつけ合うような至近距離で睨み合う。

突然莉子が強烈な頭突きを放ち、「ぶふぁっ!!」という衝撃音と共に二人共に仰け反る。そこから二人揃って起き上がると同時に激しいビンタの応酬が始まった。「パンッ!」「パパーンッッ!!」連続的な打撃音とともに紺色のスカートがひるがえる。汗と涙と鼻血混じりになりつつある二人――しかしどちらも決して怯まない。観衆達から興奮混じりの野次や応援の声援が飛び交う中――遂には取っ組み合いながらステージ上へ這い回っていく泥試合模様となっていた……!

「負けない……負けてたまるかぁ!」叫びながら拳を握る莉子に対し、「黙れクソ女」と吐き捨てるように言い放つ美桜――両者は尚も互角に組み合いながら転げ回り続けた。その姿は何とも言えない執念深さすら感じさせる光景だった……

「……ぅあ……!?」ふいに美桜の身体が大きく震えた――その刹那!右ストレート一閃からさらに左ハイキック突き刺さる、そしてトドメと言わんばかりに腹部への強烈なパンチ連打!! この瞬間まで続いていた激しい攻防戦は終焉を迎えたものの――しかしまだ終わっていない! よろめき立ち上がる莉子に向かって襲いかかる美桜だ。「これで最後よ……私こそ真剣勝負なんだ……」そう言い放ちつつ渾身の一撃を繰り出す。「くそぉおっ!!」莉子は必死に回避しようとするが避けきれずモロにくらう事態となる。「ぐぅう~!!!」あまりものショックによってついに膝から崩れ落ちていく――

「お願いだからもう許してぇえ!!!」泣きじゃくり懇願する莉子であったもののそれでもなお容赦なく追い討ちかけていく美桜……こうして壮絶なる雌雄決着となったこの死闘は幕引きとなったのである――――……………… というわけで本日のメインイベント


## 愛憎の再燃 - 街中取っ組み合い事件

あれから三日後——

カフェテラスで偶然再会した二人の空気は凍りついた。

「……まだいたの?」莉子が冷笑しながらカップを置く。

「消えろって言えばいいかしら?」美桜の目つきが鋭くなる。

店内が静まり返る。他の客たちが固唾を飲んで見守る中、突如莉子が美桜のテーブルに置いてあったスマホをひったくった。

「返しなさい!」美桜が立ち上がり手を伸ばす。莉子は素早く店外へ駆け出した。

「待ちなさい!」美桜が追いかける。人通りの多い通りで、二人は一気にヒートアップする。

「やめろ!」通行人が警告するが止まらない。莉子は急旋回して美桜の腕を掴むと体重をかけ引きずり倒す。

路上に倒された美桜が呻く。莉子は馬乗りになり襟元を掴んだ。

「アンタなんかに……負けるもんですか!」

通行人たちが悲鳴をあげて逃げ惑う。美桜は下から莉子の顔を押し退けようとするが離れようとしない。

「離れてっ!」美桜が肘を莉子の胸元に打ち込む。「うっ!」莉子が転がる間に美桜は立ち上がり構える。

「こんなところで何してるの?」遠巻きに見ていた一人が通報したらしく警官たちのサイレンが近づいてくる。

「覚えてなさい!」莉子が叫び立ち上がる。「待て!」美桜が追う。狭い路地裏へ逃げ込んだ莉子は袋小路に追い込まれた。

「行き止まりよ」美桜が肩を上下させながら近寄る。莉子は壁を背にして睨む。

「……やっぱり弱いじゃない」美桜が嘲笑すると莉子の頬が紅潮する。「舐めるなぁ!」莉子が突進し再び取っ組み合いになる。

そこへ制服警官たちが駆け付けた。「止めろ!」警官が仲裁に入るも二人とも聞かない。

「離して!」

「邪魔しないで!」

最終的に美桜と莉子はそれぞれ別の警察車両に乗せられ署へと運ばれる。

「続きはまた今度ね」美桜がウィンクすると莉子は歯を剥き出しにした。

愛憎入り混じる二人の戦いは、まだ続く——



動画はこちらhttps://x.com/nabuhero

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る