言わなかったこと

「場所移そうかここに店に悪いし。」

悲しそうな声でまたどこか爆発しそうな何かが爆発しそうな声で言っていた。ここで話すのは得策ではないと思い店を出た。

「なんで会っているか分かった。色々と思い出しちゃって私答え忘れちゃったけれど。」

大体わかっていた。過去につけた傷よりも理由とかが聞きたかったんだなという事が。過去の自分は傷つけると思い結論だけ伝えていたのが間違いだったと考えていた。

「なんでかを聞きたいの。」

少し浮かない顔をして縦にうなずいていた。きっと突き放した過去をフラッシュバックしているのだろうか。色々と隠されていた感情だったが段々と見えてきたような気がした。

「自由奔放過ぎて意見が合わなくなって喧嘩したくないのにするようになってそのたびなんでなっていった。それよりも元気がない紫苑を見るのが嫌になって来たのもあると思う。」

当時隠していた絶対に言えなかったことが今なら言えた。傷つけてしまうことを恐れていたがそれは間違いで言わなかったことがいけなかったらしい。

「優しい理由で安心した。」

そう言葉をこぼして傘が重量に従って言ってコンクリートにおちていった。

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