バイエルン・ミュンヘンのプライドは激高

 FCバイエルン・ミュンヘンの元CEOカール・ハインツ・ルンメニゲがニック・ヴォルテマーデがVfBシュトゥットガルトからニューキャッスルUtdへ移籍した件について語ったニュースがあった。


 ※ルンメニゲは現役時代、“皇帝”フランツ・ベッケンバウアーの次の時代の英雄で“ミスターヨーロッパ”の異名を持つ名ストライカーだった。


 発言内容は、ヴォルテマーデへの批判ではなく彼を獲得したニューキャッスルへの批判で、ニューキャッスルを大金を支払う“愚か者”と呼んでいた。

 


 これには色んな意味が含まれていて、1つは高額移籍金について。

 ヴォルテマーデの選手としてのポテンシャルは評価しても現時点ではその移籍金は見合ってないということ。

 昨シーズンの成績はブンデスリーガで12得点だ。

 フロリアン・ヴィルツのようにチームの優勝に貢献したとか、得点王になったとかの実績がない選手に対しての移籍金ではないと言いたいのだろう。


 もう1つは、バイエルンの経営陣や関係者が抱く悔しさだ。

 これでバイエルンはヴィルツ・ヴォルテマーデと2人の続けてドイツ人の有望選手を獲得出来なかったことになる。

 今までバイエルンはライバルチームの主力選手をしょっちゅう引き抜いてきた。

 ライバルチームを弱体化させた上、自チームを強化するやり口は伝統芸とも言える。

 優勝するだけではなく、選手獲得でも他チームにマウントをとりドイツ王者として君臨してきた。


 移籍金の高騰化でこの手法がもう通用しないと、ルンメニゲは思ったのだ。

 ファンは呑気にルイス・ディアスの活躍を喜んでいるが、彼は外国人でもう30歳だ。

 チームの先を見つめる経営陣や関係者にとって、ヴォルテマーデの移籍金は苦々しく思えたはずだ。


 現チームの主力の内ドイツ人で、ヨシュア・キミッヒとレオン・ゴレツカとセルジュ・ニャブリとマヌエル・ノイアーなどは三十代、若手と言えるのは、ジャマル・ムシアラぐらいだ。

 攻撃の主役もハリー・ケインとミカエル・オリーセとディアスで揃って外国人選手だ。


 ルンメニゲは、今そして将来の“ドイツ成分”の不足を危惧しているのだ。

 バイエルンはただ強いチームであるだけではなく“ドイツ王者”でなければならない。

 それがバイエルンのプライドでありアイデンティティであるのだから。


 プライドとアイデンティティ崩壊の危機を感じたルンメニゲが、関係のない移籍話に口を出し、つい嫌味を言ってしまったという話だ。


 そんなバイエルンにはもうすぐデア・クラシカーが待っている。

 ドイツ王者のプライドは、外国人有望選手のステップアップクラブに身を窶したドルトムントにホームで負けることは、許さないだろう。


 

 ドルトムントでは、ジョーブ・ベリンガムの父親マークがまた騒がししている。

 ジョーブが定位置を掴めないのがご不満のようで、早くも冬に移籍するなんて話が出てきている。

 

 その候補がなんとプレミアリーグのクリスタル・パレスFC。

 クリスタル・パレスはMFアダム・ウォートンの評判が良すぎて、移籍するのが確定事項のようになってしまっている。

 鎌田大地の契約延長のサインも終わっていない。


 なのでそこに家のジョーブは如何ですか?という話だ。

 日本人から見ると、鎌田大地だってアイントラハト・フランクフルトのEL優勝に大貢献してからやって来た。

 2部でプレーした後、ドルトムントでレギュラーになれなかった選手がプレミアにステップアップっていうのは奇妙な話だ。


 ブンデスで通用しなかった選手をクリスタル・パレスが獲得するメリットは少ないし、獲得したら父親まで付いてくるというデメリットがある。


 つまりこれは、ベリンガム父親の暴走で確定だ。

マーク・ベリンガムには、代理人としてではなく父親としてしかプライドがないようだ。

 

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