禁句、その言葉は“5レーン理論”

 つい最近もまた5レーン理論の解説動画が、某Tubeに投稿されていた。

 とっくに有名配信者が否定してくれているのに、まだそういう人がいる。

 なのでなるべく超簡単・超単純に否定していきたい。



 始めに要点をあげると、


 ·5レーン理論は、練習用理論であること


 ·5レーン理論は、ポジショナルプレーとは違う


この2点に集約される。



  なんで練習用かと言うと、実戦では対処が容易いから。

 そもそも相手に関係なくピッチを5分割して選手を配置するのが、間違い。

 選手が拡がり過ぎて、相手がゾーンの圧縮をかけてきたら、局所的に数的不利になったり、取り残される選手が発生する。

 それでもまだ5レーン信者がアレコレ言うなら、

マンマークや5バックでも無効化出来る。



 だだ練習用理論としては有用で内容は、


 ·4バックの崩し方


 単純に言うと、相手DFは横に4人並んでいる。そこでCB間に1人、CBとSBの間に1人づつ、SBの外側に1人づつ配置して5人で囲む。

 鍵になるのが大外のWGで、ここで相手SBを引き付ければ中央にスペースが出来る。

 そうしたら中央でコンビネーションも出来るし、フリーになる選手も産まれる。

 逆に相手が中央を閉じれば、サイドでWGがフリーになる。

 単純化したらこんなイメージだ。

 

 ·ビルドアップ時に三角形に配置しパスを回す。


 これはボールホルダーをフォローする選手の動きを決めたもの。

 これも超単純化して例えれば、


    ○   ○   ○

    A    B 

    ○   ○   ○

         C

    

 CがボールホルダーでAかBにボールが入れば、どの相手選手がマークしようと位置がズレる。

 これを繰り返せばマークのズレも大きくなる、というもの。


 

 要するにジョゼップ・グアルディオラは、FCバルセロナの選手達なら自然にやっているプレーをFCバイエルン・ミュンヘンの選手達に落とし込もうと練習メニューを組んだに過ぎないのだ。


 因みに日本人にパスを繋ぐ時には三角形を作れと最初に言ったのは、”ドーハの悲劇”の時の監督・ハンス・オフト。

 なのでちっとも目新しい戦術ではない。



 ポジショナルプレーについては、まず”パスを繋ぐ攻撃的なサッカー=ポジショナルプレー“という誤解がある。

 ポジショナルプレーとは”選手の配置によって戦況を優位に進めるプレー“で、守備的なポジショナルプレーをすることも可能だ。


 俯瞰の視点の理屈を言語化し選手に落とし込んで、厳格化・効率化して再現性を高めたのがポジショナルプレーだ。

 1人の選手が全体の一部として働くということで、そこには勘やなんとなくとか自由が欲しいとかの理由は存在しない。


 つまり徹底して突き詰めた戦術こそがポジショナルプレーだ。

 だから具体的なプレーを指した言葉ではないのだ。

 そうであるかそうでないのかの見分け方は、プレーの再現性・効率化だ。

 


 細かくめんどくさいイメージがあるポジショナルプレーだけど、冨安健洋はその世界的名手。

 今の日本代表選手なら、やろうと思えば全然イケる。

 

 ポジショナルプレーは理屈を突き詰めた先にある戦術、なんでモ○ドセレクションの金賞ぐらいの感じで軽く受け止めた方が良き。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

見張り塔からサッカーを観てる cailleret60 @inabanoshi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ