組織はそろそろ潰しに来ているのかもしれない

 少し前のCL・SSCナポリ対スポルティングCP戦、結果は2−0でナポリが勝利した。


 セリエA・ミラン戦で酷評されたケビン・デ・ブライネが2Aをラスムス・ホイルンドが2Gをあげる活躍をした。

 1点目はこれぞデ・ブライネという球足の早いスルーパス、2点目はハイクロスからのという異なるパターンの得点で、両者はそれぞれの能力を見せつけた。


 ミラン戦の戦いでは、デ・ブライネと監督のアントニオ・コンテに批判が集まった。 

 デ・ブライネとスコット・マクトミネイは共存出来るのかとか、デ・ブライネに適した役割やポジション、使うフォーメーションが間違っているのではないかまでとやかく言われた。


 確かにデ・ブライネやマクトミネイの左サイドは文句言われてもおかしくはない。

 2人とも8番か10番の選手だと思われているので、共存させるなら3センターにするしかない。

 コンテの選んだ先発メンバーはどう見ても、組み合わせに無理があり不恰好だった。


 でもCLの舞台で優勝候補ではないが有力なチームであるスポルティングに勝ったことで、批判が収まるどころか称賛が集まりそうだ。



 しかしこんな話ももうすぐ無意味になるかも知れない。 

 過密日程の今シーズンを乗り切るには、デ・ブライネもマクトミネイもホイルンドもロメル・ルカクもきっと必要になる。


 今シーズンの過密日程は、流石にもう可怪しい。

無事に今シーズンを乗り切れるCL出場チームがあるのかも怪しい。 

 つまり今夏過剰に思える補強をしたチームが正しかったということになる。

 余裕を持って2チーム分の戦力を保有するのではなく、2チームで戦うことが必要になっている。

 アーセナルやリヴァプールの動きこそが正解だったのだ。

 しかしあれだけの補強をしても、多分まだ足りないのだ。


 

 W杯もさらに出場国を増やすという噂が出ている。

 出場国を増やすことで、大会規模も経済規模も上がるためFIFAにとっては利益がある。

 今まで参加出来なかった国を出場させることでFIFAの権威を強め、強豪国の発言力を削ぐことにも繋がる。

 CLも同じ意図で拡大した。こちらでは強豪チームの発言力を弱め、スーパーリーグ構想への牽制にもなっている。


 有識者や元選手はサッカーという競技の質が下がるという批判をしている。

 観客目線だとレベルの低下だけだが、チームのほうだとそれでは済まない。

 怪我とコンディション不良の増加に保有選手数の増加によるマネージメントの困難さ。

 今後大きな大会はチームの最高値を争うのではなく、平均値や最低値で争うようになるのかもしれない。


 FIFAとUEFAは一枚岩ではなく、やっていることは似ていても目的が違う。


 UEFAは有名クラブを客寄せパンダにして、大会規模を大きくしている。しかし外部資金の流入を警戒していて、UEFA自体の権威を高めようとしている。

 有名クラブが困っているのは、観客入場料収入や賞金と選手の移籍金や給与が見合ってないことだろう。この状態でサラリーキャップ制は酷だ。


 FIFAは違う。W杯を拡大する事で利益があるのは、FIFAと今のままだとW杯に出場出来ない国々だ。

 この中には当然AFCを好き勝手にしているアラブ勢や中国なども入っている。

 FIFAはどうやら外部資金を歓迎しているようだ。

 

 これからのW杯は、勝利・優勝・好成績・好プレー等のスポーツ面の栄誉のためにプレーする大会ではなく、出場する栄誉を安売りする大会になっていくのだろうか?

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