第23話 菅原由勢を褒めたい

 いや〜、外れましたわ。再開後のドイツ・ブンデスリーガでの監督解任予想。



 ヤバいのは菅原由勢が所属するヴェルダー・ブレーメンだと思ってたのに、町野修斗の所属するボルシアMGがバイエル・レバークーゼンに続き開幕からわずかな期間での監督解任。



 試合内容を鑑みると、まぁ仕方ないんですけど。開幕戦・2試合目はまだ良かった。攻撃や組み立ては酷いものだったが、守備で抑えられていた。しかし、ブレーメン戦で守備までズタボロになってしまった。良いところ無し故解任やむ無し。

 


 いかにもブンデスらしい「一対一で勝てれば試合にも勝てる」をやっていた。


 守備では、オーソドックスな形だがゴール前でしっかりマーク出来ていたので失点していなかった。

 

 攻撃の組み立ては、本当になんとなくで参加人数も少ないのでボールの行き先は結局サイド。

 で、組み立てに参加しなかった選手達がペナルティエリアに大集合。

 クロス上がって競り勝てればシュート。

 こんな風に中盤を省略した攻撃だった。

 

 ブレーメン戦では、組み立ての怪しい中盤でボールを奪われる。

 ペナルティエリアに行こうとしていた選手達は戻れない。

 ゴール前で守備の人数足らなくて失点する。次第にマークもズレてきて失点重ねる。

 

 攻撃もチームとして攻めようとする気が無いので、とりあえずクロス上げるとか撃てるからシュート撃つだけの無策の極み。


 そりゃあ無得点だろうし守備崩壊するわ、という試合内容。


 よって町野修斗のせいではない。ただボールに触れないしシュートチャンスも来ないので、焦ってはいた。

 それで変な動きもしていたが、必死過ぎたのかな。

 

 

 対戦相手のブレーメンは、少し良くなっていた。菅原由勢のデビュー戦と今シーズンの初戦が良くなかったので、とんでもないチームに入ったもんだも懸念していたが、杞憂だったようだ。


 デビュー戦の相手は、今は幻エリック・テン・ハフ前監督のバイエル・レバークーゼンだった。

 お互いに褒められたではなかったが、より酷いのはブレーメンの方だった。

 チームプレーの意識が薄いだけでなく、選手個々が軽はずみなプレーを連発して失点を重ねていた。

 

 その中で菅原由勢はたった一人だけチームプレーを、良く考えられたプレーをしていた。

 これは感慨深かった。もの凄く成長を遂げていた。

 

菅原由勢のプレーの特徴は、一時期代表で右SBのレギュラー争いをしていた毎熊晟矢との比較によく出ていた。

 個人の運動能力に優れた菅原由勢、判断力と試合を通してのポジショニングと周囲へのフォローに優れた毎熊晟矢。

 その頃はこんな選手だったはずだ。


 今はとても思慮深い・配慮の行き届いたプレーをしている。

 味方選手が抜かれた後のカバーリングやスペースへの無駄走りや受け手だけでなく相手DFの配置まで考慮されて出されるパスなど、プレーレベルが一人だけ明らかに高い。

 派手なプレーではないために、見過ごされているだけだ。


 チームも改善していた。独りよがりなプレーが減り、ぎこちないながらも連携していた。

 守備はまだ少しルーズだ。でも前よりかは良い。


 サミュエル・ムバングラやキャメロン・プエルタスなどは今後チームの軸になるであろう活躍を見せたし、ベンチにはまだヴィクター・ボニフェイスもいる。悪くはないと思う。


 危険人物も2人いて、CBのカリム・クリバリは、とにかくマークがルーズなのとボールウォッチャーになりやすい。

 10番レオナルド・ビッテンコートは攻撃は良いが、レイトタックルの常習者。

 

 浮き沈みはあるだろうが、そこそこの順位で終われるのではないかと。


 それよりも、菅原由勢個人の成長に期待が持てる。

 ジェレミー・フリンポンのいなくなったブンデスの右サイドを制圧して欲しい。

 やれば、出来る、きっと。



 ところでムバングラへのアシスト、あれ絶対パスよりその後の走り込みの方が効果的だったと思う。

 ボール渡したからアシストしてスゲーってのもなんだかな。

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