第2話殴り書き 球技と中山雄太

球技おいて、ボールとプレーフィールド規格は競技性に大きな影響を与える。ボールの大きさはコントロールや強さやスピードなどに、フィールドの大きさはプレーヤーのプレー領域やプレーヤーの人数などに。更に道具を使う場合は、より複雑になる。


 ゴルフは、クラブの使用とボールの小ささとコースの広さ(球技の中で最大ではなかろうか)の極端なバランスが特徴だ。


 例えばティーショットでドライバーとボールの接触面が1ミリずれたとしたら、300y先ではどのくらいの開きが出るのだろか?だからプレーヤー以外から見ると、ゴルフのナイスショットは適用範囲が広く感じる。でもきっとプレーヤーの感覚が正しいのだ、それ程ゴルフでボールを正確にコントロールするのは難しいのだろう。


 それ故か、ゴルフを嗜む人はスイングのフォームを重視する。コースに出れば、足場や風向きや風の強さや芝の種類と長さ、池やバンカーなどの障害物など環境の多様性がある。フォームにバラつきがあると、プレーの軸になるものが無くなり、なんとなくボールを打っているだけにしかならないのだろう。そしてスコアもそれなりになってしまうのだろう。



 野球選手もフォームを重視する。ピッチャーもバッターも。

 

 野球もボールとグラウンドのバランスが極端だ。9人居ても守りきれない広さのグラウンドと掌に収まる程度のボールの小ささ。

 一線級の投手は約18m離れた打者に向かって150km以上の速球を、130km・140kmの変化球をコースを狙って投げ、打者は瞬時の判断で見逃したり打ち返したりする。両者共とんでもない身体能力だ。


 偶に曖昧でなんとなくな打撃理論をテレビのインタビューで話す一流打者がいるが、その選手はそれでも打ててしまうような素晴らしい身体能力や野球センスや勘の鋭さなどがあるのだろう。身体能力の高さが成績に反映しやすいのかも知れない。

 

 一昔前のサッカー選手にもそういうタイプのトップ選手達がいた、日本代表の中にも。今はJ2・J3あたりの選手に多い。

 しかし、海外組や代表の選手達からは、学ぶ意欲が高くストイックに努力出来る選手達が多いこと、増えていることが見て取れる。

 野球選手もそうだ。MLBで活躍する選手達や代表の選手達に、浮ついた空気は感じられない。

 野球・サッカー共、ストイックで個人でもよく考え成長出来る選手でないと、トップレベルではプレー出来ないのだろう。



 考えることの出来るサッカー選手の1人が、中山雄太だ。

 その中山雄太がボランチのポジションで好プレーをしたらしい。素晴らしい、良いことだ。


 中山雄太はポジショニングや判断が良いため、知的な選手という印象を与える。しかしイングランド2部や代表で成功するには、何かが足りなかったのだろう。何かとは、俊敏性やより高い身体能力だと思う。


 メンタル面や知力に比べて、身体能力は持って生まれた身体に基づく為、努力でカバーしきれない部分が多く才能の一部として語られる事が多い。

 中山雄太がSBをしていた時見られた悪い部分は、一対一に強くないところだった。相手WGに一対一からスピード勝負を仕掛けられたら、スパッと抜かれることが多かった。

 世界トップレベルのDFは簡単には抜かれない。準備や判断やポジショニングも良いが、身体能力でもカバー出来るのだ。不利な場面でも身体能力に無理を利かせて解決してしまうのだ。

 これが中山雄太には出来ない。相手がなにをやるか分かっていても、準備していても、ポジショニングが間違っていなくても、強引な突破には弱いのだ。

 

 だとしたら中山雄太のポジションを変えたら良いのではないか。ボランチでプレーすれば、サイドでの一対一の攻防する機会は減り、身体やヘディングの強さと判断の良さが活きる場面か増えるだろう。

 現代のSBにはやる事が多い為、中山雄太の知性は有用だった。しかしボランチだって仕事は多く、知性がないと出来ないポジションだ。

 実にピッタリなのではないか。このまま頑張って欲しいところだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る