星飛べり　🌠

軽トラの荷台の脚立秋の園

秋暁や鳩寄り添ひて滑空す

朝顔やわけ知り顔の猫が行く

鷹鳥を祭るやメンズヘアの店

流れたきやうに流れて秋の川

楽しみは無尽蔵なり秋気澄む

夏越へて来しこの四肢や秋の水

軽やかに駆け抜けてゆく秋日傘

涼新た恩と愛との幾山河

六台をはこぶ車や秋の雲

竜淵に潜むやグッドルッキング

噴き出して老い顔はつと秋の風

秋蝶やしばらく前は夏の蝶

この星の八十二億蕎麦の花

鵙の晴瀬音はげしき家並かな

川に添ふ杣の一世や秋ぼたる

異なるを束ねんとすな群れ芒

日展やこの手の恋うる針仕事

月光にすきとほりたる濁世かな

残響のトライアングル星飛べり