第十三回 私的ファンタジー雑感・そのに

 という訳で、予告したとおりに前回の続きである。

 

 

 前回で私のファンタシー観の下地は知ってもらえたと思う。

 文学的な要素は、ほぼない。

 ま~、ブンガク、読みませんからね(苦笑)

 

 トールキンの『指輪物語』や『ホビットの冒険』の存在は、知ってはいました。

 ただし、アニメの原作としてです。

 七十年代の終わりだったか八十年代の頭だったか、『ホビットの冒険』のアニメが作られていまして。

 ロトスコープなんて珍しい手法使っていたものだから、ちょっと話題になっていたんです。

 記事が載っていたのは『月刊OUT』だったか『STAR LOG』だったか。

 

 原作がとても有名なものだなんて、当時は知りもしてませんでしたが(笑)

 異世界ファンタジー心の師である中山星香なかやませいか先生が、単行本のコラムや欄外で、いくつかの海外有名ファンタジー文学に触れていたとは思うんですが、文学的な興味なんて持っちゃいなかったですから、「ふ~ん、そんなのがあるのね」でおしまいでした(苦笑)


 ですので、私のファンタジー観を形作っているのは、ほぼゲームと漫画だと言えます。

 ぶっちゃければ、『ドラゴンクエスト』と『ウィザードリィ』、『ロードス島戦記』と『ソードワールド』。

 さらにはそれらの始祖たる『ダンジョンズ&ドラゴンズ』でしょう。

 それと、その影響下にある漫画作品たち。

 ゲームでロープレが流行ってから、漫画にもそういう傾向のがドバっと増えましたからね。

 

 ですので、私のファンタジー観には、取り立てて独創的なものはありません。

 皆無と言ってよいかも。

 中世欧風でちょいと近代混じり、神様がたくさんいて、魔法があり、人間以外の異種族が居て、魔物や怪物が跋扈している。

 ね、普通でしょ? 凝ったところなどありはしない。


 在り物を使うのは全然悪い事ではありませんものね。

 世の中には「いちから考えないのは邪道」みたいに言う方も多いですが、あるもの使って何が悪いの?

 

 現代で火を着けるのに、ライターがあったら、それ使いますよね? 

 ライターとかで簡単に火を着けることができるのに、わざわざ火打石や錐揉み式で着けようとするのは、こだわり通り越してただの迷惑とか嫌がらせですよ。


 以前いたサイトで、魔法やらモンスターやらを独自手法で書かれていた方がいたんですよ。

 既存の設定使うのが嫌だとか何とかで。

 正直に言います。

 すげぇ読み辛かった。

 当人に面向かって言っちゃいませんけどね(苦笑)

 

 その方独自ですから、いちいち説明しなきゃならんのですよ。

 魔法が特にひどかった。

 既存と違うことにこだわってましたね~。

 その方的には作品の肝みたいだったのてすが、いまだによくわからん。

 頭に入れるのが嫌になって読み飛ばしていましたから。

 

 なんぼ頑張って考えたところで、私がしたみたいに読み飛ばされちゃ、なんにもなりませんからね。

 お話や描写とかにも頑張ってはおられましたけど、在り物使えば簡単に済むところを、使わない事で難しくしてましたから。

 良い反面教師になりました。

 

 オリジナリティを貫くことで、ポピュラリティを失くすのは悪手。←これ大事。

 作品は読まれてなんぼ。←とても大事。


 在り物にちょっと手を加えるだけで充分なんですよ。

 すでに在るものだったら、それ使う方が楽だよね?

 とはいえ、ネーミングがこちらの世界の地名なんかに由来しているモノをそのまま出すのは、ちょっと考えてしまう。

 ミノス島の牡牛ミノタウルスとかさ(苦笑)

 独自とまではいかんでも、多少のアレンジはあってもいいんじゃないかと、自分を棚に上げる(自爆)

 

 日本はゲームが受け入れられてて、国民的ゲームと呼ばれるようなものまである。

 ファンタジー系ゲームである程度の知識を持っている人が多くて、読み物としてファンタジー物なんかを選ぶ人は、下地があるものと考えた方がいい。

 

 無駄は省いて最適化。

 共通認識を最大限に使う方がよかぁねぇか?

 ……まぁ、共通認識なんて言っても、人それぞれで違いますから、補正は入れとくべきですがね。

 頼り過ぎてはいけない。

 

 食べ物で例えると、うどんのつゆ。

 関東と関西では別物なのだ。

 

 スライムと言ったら、大半の人は水滴型で二ヘラとしてるドラクエタイプを連想するでしょう。

 でも、違うスタイルのモノ、ウィザードリィ型ドロドロ粘液タイプなら、そうであることを示しておかないと。


 とは言うものの、私にもこだわりはあります。

 他人の作品で感じた嫌なところは出さない。

 自分が好きではない事は書かない。

 ぶっちゃけますと、最強とか、勇者とか、魔王とか。

 

 あと、ゲームシステム的な描写。

 簡単に言うとステータスとかスキルとか。

 能力なんかを、数値で表現してるものは、嫌ですねぇ(苦笑)

 ゲームが下地と言えど、それをそのまま持ち込むのは下品だと感じるので。

 、とかならありなんですけどね。

 そういう世界なら仕方ないですし、むしろバンバン有効利用するべき。

 

 勇者も魔王も出しますよ。

 てかもうすでに書いてるし(爆)

 ただ、芯に据えて書こうとは思いませんけど。

 選ばれた者とか、そういうの嫌いなんです。ひねくれてるから(爆)


 ドラクエやってた頃は特に何も思わなかったんですけど、ウィザードリィやってから、変わりましたね。

 あらかじめ決められてるよりも、自分で決める方がいいなって。

 

 ドラクエの主要キャラって多少遊べる部分はあるけど、バックボーンは割とガチガチ固められていて、シリーズが進むにつれてそれは顕著になって、ユーザーの自由度がなくなっていく感じがあるんですが、ウィザードリィって、ホント何にもないんですよ。

 あるのは最終的な目的だけで、極端な話、それすら果たす必要もない。

 

 コンピューターゲームを始めたことで、創作者として終わった私でしたが、ウィザードリィは終わった創作者の部分に強く響いたのです。

 ゲーム内容に目的を与えるのは自分自身。メーカーの作ったシナリオではない。

 作るキャラクターの数だけドラマが作れる。妄想働かせるには十分でしょ?


 あ、異世界転生とか召喚・転移物も、都合が良くない話なら大丈夫かな?

 転生しても特に大きなドラマなく、幸せに過ごしましたみたいなのや、召喚されてボロゾーキンのように扱われたり、転移したら言葉もわからず野垂れ死にするとか、そういうのならOK。

 

 似たような理由で、チートも勘弁。

 神さま甘やかしすぎ。

 ズルするのなら、それ相応の報いも用意してほしいものです。

 

 ハーレムは大賛成ですよ、なんたって成人男子ですからね(自爆) 

 いやらしいのが嫌いな人がいて? 

 まぁ居ても無視しますけど(爆)

 

 ハーレム物の弱点は取り巻きキャラの没個性化ですからね、それをちゃんとするだけで、印象はがらりと変わりますよ。

 惚れるに値するハーレム主と、主に惚れる動機付けなどがしっかりとしときゃ、どうとでもできる。

 そういうところをないがしろにしすぎてんのが、多すぎるんだよね。

 ていうか、ロマンス物にとっちゃ一番大事なことでしょうが。

 恋愛物、なめんな(怒)


 と言う感じで私のファンタジー観は、在り物で埋め尽くされてて、選ばれし者が主役にはなれない、地味目なものです。

 全然面白味が無いな(爆)


 ワチャワチャしてとっ散らかっちゃってますが、ま~それも私らしいっちゃらしいか(苦笑)


 てな感じで二回にまたがった私的ファンタジー雑感も終わり。

 ご清聴感謝。


 ではまた次回。

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