第11話

八音は道場の片隅にある小さな冷蔵庫を指差しながら、「何か食べる?」と声をかけた。


幾夏は少し微笑んで、「お茶だけで大丈夫」と答える。


「そっか」と八音は軽く頷く。


幾夏はゆったりとした声でまた話し始める。「はおはおちゃんはおとなしい性格だけど、少し虚言があって。周りが混乱しちゃうんだよね。でも、その虚言キャラクターを面白がる人も結構いる。」


八音は眉を少し上げ、「変わってるね」と言った。


「千世は基本的には大人しいけど、怒ると『愚民!』って言うのが問題」と幾夏が続ける。


八音は笑い、「面白い」と返した。

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