現代も水責めは破壊力抜群
ムスメからオジに連絡。またしても緊急事態だと言う。
同棲してた男が激怒してて損害賠償がどうとか。
オジはそれほどの緊急事態ではないと踏んでキリの良いところまで仕事を片付けてからの食事を提案した。
ムスメが泣いたりするかもしれない。今回はカラオケボックスに行くことに。
合流。最近のカラオケボックスの食事は割と美味しい。
まったく歌わずに詳しく話を聞いていく。
前にも聞いたとおりムスメは男と半同棲状態だったが、喧嘩をしたようだ。
数日間続いた喧嘩の末、男が不在のときに室内を水浸しにしたとのこと。
水道の蛇口にホースを繋いで満遍なく室内に水を撒いたうえ、水を出しっぱなしにして家を出たそうだ。
家具や家電といった明らかに駄目になりそうなものは重点的に責めてきたと言っている。
そして帰宅した男が自宅を見て激怒。
当然犯人はムスメであることは容易に想像できるので損害賠償となったようだ。
男は中学時代に勤めていたキャバのボーイだったようだ。
年齢は5際くらい上でルックスが好みだったのでムスメからアプローチしたと言っていた。
行為の相性がよいと言っていたので、そこもポイントかもしれない。
オジは少しだけ悔しい。
それ以降は別れたりよりを戻したりしつつ2年程続いているらしい。
喧嘩機関以外は男の家に転がり込むカタチで半同棲をしていた。
ちなみに喧嘩期間中は実家に帰るか、客が居ればラブホテル暮らしだったようだ。
今回の喧嘩の理由はいろいろ言っていたが、直接的な原因はよくわからない。
このときムスメは16歳。男は21歳と思われる。
オジから見ればどちらも子供でもおかしくない年齢だ。
双方未熟なのだろう。どんな喧嘩でも有り得そうだ。
損害賠償と言っているが、まだ弁護士が入ったりしているわけではない。
男は激怒しており、どうしてくれるんだ、と言っているだけのことだ。
部屋へのダメージが大きい場合はそれなりの額になるだろうが、賃貸契約時に保険の契約もしているだろう。
家具や家電はそれほど高いものはないうえ、殆どムスメが買ったものだと言っている。
50万円もあれば充分だろう。30万円でも事足りそうだ。
オジはそれをムスメに説明した。
また、書面で金額等に合意をした証跡を残すことを提案した。
あとからズルズルと請求されては困る。
オジはその場でスマホを使って簡単な書面を作成してムスメもそれで進めようと納得した。
ここではムスメはオジに現金のサポートを依頼しなかった。
幸いにしてムスメの手元には顧客からもらった100万円が多少目減りしているが残っていたからだ。
手切れ金だと言って50万円叩きつけてやると息巻いている。
コンビニプリントで書面を印刷してムスメに手渡した。
あまり正式なものではないが、ネットで各種テンプレートを参考に体裁を整えたのである程度の効力はあるだろう。
相手も若いし現金が入れば恐らく本格的な裁判等になることはないと踏んだ。
この日はオジも仕事を残してきたのでこれで解散。
オジは仕事をしながら思い巡らせる。
ムスメの話を反芻して話を整理すると以下がポイントになりそうだ。
ムスメは実家に帰りたくないこと。
実家より客とラブホテルに泊まった方がよいというくらいなのだから、気心の知れた男の家の方が良かろう。
これが大きな理由で関係を継続しているように見えた。
男よりムスメの方が稼いでいること。
自然と男は同居人であるムスメの財布をアテにすることになるだろう。
これが不満点になっていそうだ。
実家の話に踏み込むのはハードルがあるな、と考えつつ事務仕事を淡々とこなすオジだった。
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