第3話 マリオネット
カランコロンとドアについたベルが鳴り、店に入ると早速店内を見渡した。
みたことない人形や遠い異国の人形が置いてある。
人形たちをみていると人形を作っているであろう老父が奥から出てきた。
「いらっしゃい。なにをお探しかな。」
「世界を旅をしているのだが、マリオネットを使った芸をしようかと思ってな。持ち金もあまりないしこんな年老いた身だ。オーダーメイドとかは勿体無い気もする。わしに合うような、なにか良いものはあるかね。」
老父は「ちょっと待ってくださいね。」といい、店の奥に入って行った。
店の奥から戻ってきた老父の手には、翡翠色に近い目の色の白髪の中性的なマリオネットがあった。
「これをあげるよ。前に来てくれた旅の方が頼んだものだったんだけど、旅の方は受け取る前に亡くなっちゃってね。お代は前の旅の方が前払いしてくれてたからいいよ。」
「そんな…わしが貰ってしまっていいのかい…?」
「貰ってくれないかい。旅に出すために作ったものだから旅をしてくれた方が嬉しいよ。」
「じゃあありがたく貰うことにするよ。」
友人のために写真を撮る用のカメラと生活用品、そして今貰ったマリオネットを持って旅を再開した。
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