転生してダンジョンマスターになりましたが擬態スキルで生き抜きたいと思います

（やばいよ月乃！他の虫たちはもういないから、抱えてる2体しか残ってない！！）

（ええ!今すぐに離れるわ！）

月乃が下にジャンプしながら、降りはじめたところにバレットクロウが突っ込み始めた

（月乃！）

（安心しなさい黒ちゃん大丈夫よ！）

月乃が通り過ぎたところにバレットクロウが刺さっていく

　どうやらくちばしが木に刺さって動けないようだ。よし！まずは1体が動けなくなった。

（この調子だ月乃！）

（ええ!この調子で行くわよ！）

もう1体のバレットクロウは中々、突っ込んでこなくて様子を伺っているようだ

（もうすぐ地面よ！）

意気揚々と地面に着地するタイミングで突っ込んできた！

（月乃！）

（分かっているわよ！）

先ほども避けた月乃なら大丈夫と思っていたが、驚くことにバレットクロウのスピードが先ほどと比べ格段に上がった！

（いっ！…たいわねー！！）

急に上がったスピードに対応出来なかった月乃は避けきれず尻尾を貫かれれてしまった。

体が大きくなった分、尻尾も太くなったのが幸いだった。

　進化前なら完全に尻尾が千切れ跳んでいたが今は穴が空くだけに澄んでいる。　

（黒ちゃんこの子たちをお願い）

そういって舌で捕まえていた、クワガタ達を自分の方に投げ込んだ。

　その隙を、ナイトクロウが見逃すはずもなく、黒い弓での矢で狙いを定めている。

ターンと幻魔の頭上の木に黒い弓矢が突き刺さった。

あっぶね！！間一髪。

　狙われていることに気付いたから慌ててクワガタ達をダンジョンルームの方に送ってしまった

（幻さん急に送ってしまいましたけど、大丈夫ですか！？）

（こちらで暴れておりますが時期に落ちつくと思われます。それより、幻は幻魔様達が無事に帰ってくることを願っております！）

（生きて戻るから、待っててくれ幻さん！）

ナイトクロウは仕留められなかったことから、こちらに標的を変えて黒い弓矢を連射し始めた。

いやいやいや、いくら何でも撃ち過ぎだろ！

こちらに弓矢が20本一気に連射され始めたため、自分は躱すことに精一杯になる。

さすがに避けきれずに腕、足に矢がかする

（黒ちゃん！！）

（こっちは気にしなくていいから！月乃もそっちに集中して！）

月乃side

月乃はバレットクロウを捕まえようと舌を使い交戦していたが、速すぎて中々捕まらず苦戦をしていた。

　

（（ああもう！いくら何でもすばしっこすぎるわよ！　2つのスキルを組み合わせているのか、速さが不規則で読みづらい！））

目の前の相手に苦戦している間に、幻魔が矢に狙われ始め、傷を負い始めた。

（黒ちゃん！！）

（こっちは気にしなくていいから！月乃もそっちに集中して！）

　

月乃は幻魔が傷ができ始めたことに動揺したが、今は目の前のことに集中をする

（（黒ちゃんにああ言われちゃ今は目の前のことに集中しないと！））　

バレットクロウは先ほどと変わらないスピードで飛び、月乃の体に穴を空きはじめる

（（これ以上は血を流し過ぎるのも不味いわね…こうなったら一か八かよ！！

　相手に擬態を使ってもバレるけど、巻き取るんじゃなくて、つけば相手の体をを崩すことが出来るじゃないかしら?））

バレットクロウは、速度を保ったまま月乃の顔めがけて突っ込み始めた

（（今よ!））

月乃がバレットクロウの羽に向けて舌を伸ばすことによって、対応が出来ずに体勢を崩すことに成功した。

その隙を逃さなかった月乃は、舌を相手の体に巻きつけ地面に叩きつけ始めた

最初は、抵抗していたバレットクロウだが2、3度地面に大きく叩きつけられピクリとも動かなくなった。

（（結構グロいわね…やった私が言うのもあれだけど））

月乃の体には先ほど負っていた傷が無くなっていた。

（（傷が！無くなっているわ！どうやらレベルが上がった見たいね。これで、黒ちゃんの加勢に行けるわ！））

月乃が幻魔の方に視線を向けたところ、ナイトクロウが幻魔に向けて黒い槍を発射したところだった。

　幻魔は避けたが、避けて安心しきってるところに槍が振り返り幻魔の胴体目がけて突っ込み始めた。

（黒ちゃん！危ない！）

（え？）

幻魔side

幻魔は月乃との念話を終えてから少しずつ、傷が増え始めた。中々仕留められない幻魔に痺れを切らしたナイトクロウは黒い槍を生成し、幻魔に狙いを定めた。

あれは！虫の体を貫いていた槍！

あれに当たるのは不味い！

ナイトクロウは槍を発射したが幻魔は少し体にかすりながら、直撃を避けた

（（これで、槍の脅威がなくなった！

次は、どうでる！？））

渾身の攻撃が避けられたというのにナイトクロウは落ち着いていた

何を落ち着いているんだ？

ナイトクロウの行動に不安を思っていたところ

（黒ちゃん！危ない！）

（え？）

月乃に念話で叫ばれた後、後ろを振り向くと避けたはずの槍がこっちに飛んできていた

自動追尾式なの！？

不味い！判断に遅れた。これは、避けきれない！

幻魔に槍がこちらに向かっているところで、月乃が幻魔を守るために体をねじこませてきた

（月乃！）

（黒ちゃんは私が護るわ）

月乃の体に槍が突き刺さった