初めて②


かなりの人で賑わっていたが

明らかに夜の蝶であろう女性が2人で

飲んでるのを見つけ

傍のテーブルへさり気なくついた。


注文用紙が真ん中にあり、ツマミを選び

案の定、肝心のお酒に悩む。


(……が予定通りなのだ♪)


『お姉さんお姉さん、最初の一杯にオススメのお酒ってありますか?♪』


可愛くなったんだし友達も出来るだろうと

変な自信があった私は普通に話しかける事に成功。


「んー、やっぱビールじゃん?」

「え、サワーじゃね?」


お姉さん達も普通に返してくれた事に

嬉しくてニヤけながらどっちも注文し

かんぱーい!と陽キャになってみた笑


『お姉さん達めっちゃ綺麗ですけど、どっかのお店の方ですか?♪私飲み行く店探してて』


「あ、あれっしょ。ホスト行こうかなとか思ってる系でしょ笑」

「まずはうちらの店来なよ♪ぼったくりする店もあるから基準知っておいた方がいいと思うし♪」

『本当ですか!!助かりますっ!』


私は焼酎が好きかも、という事が

居酒屋で分かった。


だが早々に切り上げ向かったキャバクラ。


「てんちょ〜新規1名ね〜!あたしら出るまでよろしく〜♪」

「あいよー!いらっしゃっせー!!」


男の人の声に続いていくつかの女性の声で

迎えてくれた。


「いらっしゃいませ。当店のシステムや金額の説明をさせて頂きます。」

『よ、ろしくお願いします…』


一定の時間で女の子が変わる為、長く話したい子がいたら指名をする。

女の子と食べたり飲んだり楽しく話す場所なのだと初心者と聞いてたのか

分かりやすく説明してくれた店長さん


『あっあの!せっかくですから、飲みながら…聞かせてもらうのは…?』

「!…ではお言葉に甘えて」


予想以上に距離が近くて緊張し、ボーイさんが

持ってきてくれた焼酎を飲みながら

耳を傾けた。


この席はBOX席と言うのだとか。

BOX代とボトル代、割り物やツマミの料金

あとはシャンパンやワインといった

お高めのお酒の料金を教えてくれた。


「そして滞在時間にもお金がかかります。……最後にtax、つまり+税って感じです。」

『なるほど、分かりました!ちなみに店長さんのオススメのお酒はありますか?…今日お酒デビューなんです///』


少し恥ずかしくなり小声で伝える


「なら……焼酎ボトルより高くなりますが、«カフェ・ド・パリ»スパークリングワインが甘くて飲みやすいと思いますよ♪」

『じゃぁそれを…えっと、いちごで』


かしこまりました、と一言の後

「カフェパ入りまーす!!」

「「「ありがとうございまーす!」」」


大きな声が響き少し焦った。


「ちょっとてんちょ〜?無理にススメたんじゃないでしょうね〜??」

「初めてだって言ったじゃん!」


さっきのお姉さん達がやっと来てくれたので

入れ替わり、正面に店長。隣にお姉さんが座った。


お姉さん達も好きなのどうぞ♪と

そこからは楽しい時間を過ごした。


たまに新人さんという女の子が付いてくれたりして

色々なお酒を味わった頃には

もう何でも楽しいくらいに酔っ払っていた。


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