第2話

満月の夜、月がちょうど真上の位置に来る時。



つまり簡単に言えば、深夜になった時、外にいると、俺は狼と化す。



狼になると、自分でコントロールできない、というかほぼ記憶がなくなり、暴れる。




最近は気をつけているし、そんなこともなくなったが、幼い頃はよく暴れていた。



まだ今は深夜ではないが、月はもう出ている。




ああ、頭が痛い。




なんでそんな日にわざわざ買い出しに出たのか、というと、俺が同居している猫娘のプリンを食べてしまい、猫娘がキレて買いに行かせたのだ。



明日でもいいだろ、と言ったが今日中がいいと聞かず、今日が満月だとすっかり忘れていた俺は買いに行ってしまった。



まあ、頭痛という罰を受けろ、てとこだろーな。



足早に家に向かう。



もうすぐ着く。そんな時だった。



通りがかった空き地にぽつんと置かれたダンボールが、ガタガタッと揺れた。



え?と思い、足を止める。



けれど、そんなことより早く帰らなければ、と思いまた歩き出そうとしたとき。



ガタッ。



また揺れた。



妙だな、と思い、なんとなくダンボールを見にいくことにした。

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