第1章 潮風に混ざる鉄 1-14
赤頭巾の少女とその詠手が消えて、怪物も動きを止めて
暫くしたら消えた
周りに人の気配が無くなったを確認してから人魚姫は、従者の青年に問いかける
「さてセバス、先程の質問に答えていただけますか?」
そう聞かれても従者の青年は、俯いたまま黙っていたが
数分経って、このまま沈黙していても人魚姫は追求を辞めないだろうと感じたのか重い口を開いた
「自分は、もうお嬢様が瀕死になる瞬間を見たく無いんです。
しかも、死ぬかもしれないんですよ?
だけど、ここで負けたらこれ以上はそんな事にならなくて済むと思ったら思わず安堵してしまって…」
「それで笑顔になったと…
それって本当ですの?
貴方は、ただ私の死の責任から逃れたかっただけなのではないの?」
「そんな…こと…は……」
従者の青年は、言葉濁した
そして、また俯き人魚姫から目線を逸らす
その行動が最早、それが真実だと言ってるいる様なものだ
「私は、貴方には何があっても応援して欲しかった、例え私が命を落とそうとも…
だって、貴方は初めて私が選んだモノですもの」
その言葉を聞いて従者の青年は、やっと人魚姫を見る
すると、人魚姫は目から涙が溢れていた
「……おじょ…う…さま」
従者の青年は、耐えられなかったのかまたそっぽ向く
それを見て人魚姫は、決心したような顔して命令する
「セバス
スキル書を渡しなさい」
「えっ?
お嬢様、もしかして1人で戦う気ですか?」
「ええそうよ
私の敗北に笑顔になる者に私の後ろは任せられませんもの」
「スキルの出力も3割程減るですが本当にいいんですか?」
「勿論、それを承知の上ですわ
それに、能力がダウンしてもそれを補う策がありますもの」
そう言い切られて従者の青年は、渋々ながら本を人魚姫に渡すのでした
RPG -童話戦争- はっひ〜 @hahhy
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