第1章 潮風に混ざる鉄 1-13
「もう一度聞きますわ
セバス貴方は、何故この状況で笑顔なんですの?
分かっていますか?ピンチですのよ?
それなに何で?ナンデ?なんでなんでなんで…」
「……すいません、お嬢様……自分は、もう…」
「声が小さくて聞き取れませんわっ!
もっとはっきりおっしゃって下さいまし」
2人が言い争いして、こちらの指示を無視したことに時武は段々とイライラして来た
「ンァー
あのさぁ、痴話喧嘩は後でやってくんない
とりあえず人魚姫ちゃんはさ
早くメアに装飾を渡してくれよ」
時武のその叫びに人魚姫は、ある程度落ち着きを取り戻した
「貴方にちゃん付けされる覚えはありませんが、
今そいつを殺されると困りますので、いいですわ
大人しく装飾を渡しますわ」
渋々という感じで人魚姫は指示に従う意思を示した
「それじゃあ、自分で装飾を外してメアに渡せ」
「了解ですわ」
そう言うと人魚姫は、左足についているリングを取ろうとしゃがみ込んだ
その時
いつか聞いたことのある獣の様な雄叫びが響いた
叫び声のした方へ目を向けるとそこには、2日前に出会ったあの黒い怪物が居た
「何でアイツがココに居るんだぁっ!?」
状況を理解出来ずに、大声で叫んだ俺とは対象的に
「ジャバウォック…」
人魚姫は、何かを知っているかの様に小さく呟いた
「あいつが何なのか知っているのか?」
近くに居たメアがすかさず、人魚姫の呟きに反応する
「知っていますわ
そして、多分アレは
今、貴方達だけを狙って来ると思いますわ」
「へぇーそうなの
でも、アンタの相方は怪物を見て嫌そうな顔してるけど?」
「前に襲われた時のトラウマでもあるんじゃありませんの」
「はぁ?
襲われた事あるのに今は、自分達だけ襲われ無いって確証がどうしてあるの?」
「アレを使役している方と和解してますので
なので、貴方方は今日は逃げた方がよろしいかと」
「今日はって、明日また戦う気があるって事?」
「ええ、明日で決着をつけましょう
それで、勝っても負けても2度と貴方方と戦わないと約束致しますわ」
「場所は?」
「万里公園でどうですの?」
「ああ、あの怪物と最初に会った公園か…
まぁ、いいか承諾するよ」
「時間は、夕方5時半頃でお願いしますわ」
「りょーかい
おーい、時武今は急いでここから離れるよー」
こうして、メアと時武はその場を後にするのであった
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