44話 嘘と真実の境界線
スイレンは薄暗い部屋の奥で、窓の外の灰色の空を見つめていた。
その瞳には焦燥と覚悟が入り混じる。未来視の力で見た、壊滅の瞬間が何度も脳裏をよぎる。
「どうして、こんなに苦しいのに……私たちはこんな道を選んだのだろう」
しかし、背後から微かな気配が近づく。
「スイレン――もう十分、罪を背負ったわ」
ユリが静かに声をかけた。彼女の姿はいつの間にか白い巫女服に変わっていた。
その瞳は、これまでの不安や孤独を越えた強さを宿している。
「私たちが変われば、世界も変わるはず。未来は変えられる」
そう、ユリは断言した。
スイレンは静かに頷き、未来視の映像を閉じた。
「じゃあ、私もそのために動く。もう二度と、絶望の花を咲かせないために」
その時、遠くの空に巨大な黒い影が浮かび上がる。
エンド・フラワー――最上位の悪魔の一部が、ついに完全覚醒に近づいていた。
ユリは深呼吸し、覚悟を決める。
「世界の命運は、私たちの手の中にある」
未来を賭けた、最後の戦いが始まる。
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