第2話 買い物
ご飯を食べ終えて朝はゆったりと過ごし、お昼になった頃合いで三日月と共に家を出た。
向かう先は今日の晩御飯を買いにデパートに。
買いだめが尽きたからと食材とかを買いに行きたいそうだ。
「何買うんだ?」
「野菜」
そう言ってカボチャやトマト、ピーマンにカブと一つ一つ野菜を吟味していってる。三日月が作ると野菜関係がかなり多くなる。美味しいんだが、俺はこってりとした肉を豪快に食いたい。
「肉は駄目か?」
「……まあ野菜炒めとして良いわね」
そう呟いて精肉店の方に向かうのを慌てて追いかけた。確認も取らないで急に向かわれると反応が遅れるっていうのに、お構いなしだ。ちょっとはコッチの事も気にかけろよと思う。
「ささっと1人で行こうとするなよ……」
「あぁごめんなさい?」
「ったく……あ」
ふいにチョコレートを中心としたカフェが開店していた。あまり寄らない所に構えてたせいで気が付かなかったが、こんな所にいい店があるじゃないか。
ここを憩いの場にしようかな、日々のストレスをここの甘い食べ物で癒されたい。
「足立君」
「なんだ三日月」
「チョコレート食べたいと思ってるでしょ?ダメに決まってるでしょ」
ホント、なんでチョコレートがダメなんだ……。
俺は甘党だから、チョコレートとか、アイスとかの甘いものが好きなんだが、三日月がいると絶対に買わせてくれないしカフェでも寄ろうとしない。
三日月が甘いのが苦手だとしても、食べるのは俺なんだから良いだろと思わなくもない。減るもんじゃあるまいし……。
と言っても聞いてくれないのがコイツだ。
「分かったよ」
「分かればよろしい」
毎回毎回折れるのは俺の方だ。
三日月は淡々と買い物をするだけだし、親について行く子供みたいな買い物に付き合うだけの、恋人同士のやりとりと思えない付き合い。これじゃ何のために……。
「ほら、ぼさっとしてないで早く来る」
「わ、悪い」
考え事をしていたらぶっきらぼうな感じで三日月に呼ばれた。考え事ぐらいさせてくれよマジで……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます