heisoku先生についての激☆推し☆語りをしていきます

あばら🦴

本文

 こんにちは。あばら🦴でございます。


 自分がカクヨムで本格的に創作活動を開始したのは2022年の1月10日からなのですが、その日だった理由はが起因しているのです。

 その作品とは『兎とソルジャー』という短編漫画で、某漫画サイトにて2022年1月10日に公開されました。

 ……もうね、読んだ直後に身体に衝撃が迸って、自分もすぐに創作活動を開始せずにはいられませんでした!

 そしてその作者こそ、あばら🦴が心酔する『heisoku』先生でございます! ちなみに自分は元々heisoku先生を知っており、先生を追っていくうちにあの短編漫画が公開されたという経緯です。

 

 皆様はheisoku先生という稀代の漫画家を知っていますでしょうか?

 今こそ、自分がheisoku先生のどういった部分に魅力を感じているのか、どれほどの気持ちで推しているのか、ご紹介させていただきます!



 まずはざっと、これから語っていく先生の魅力を8項目羅列します。


 ・現実の閉塞感と心の内の強かな意志を描く作風、それによる唯一無二の温度感がある雰囲気


 ・独特かつ卓越した言葉選びの秀逸さと、キャラクターの語り口の面白さ


 ・絵柄だけで好きになれる繊細で温かみのある絵と、そしてどんどんレベルアップしていく画力


 ・ものを見る目線が独創的かつ、(心配以外では)作中で何かを否定することはない、作者自身のの良さ


 ・他に類を見ないあまりに尖りに尖った設定


 ・多くを語らずにセンス抜群な描写で情報を魅せるオシャレさ


 ・ストレスの無いテンポの良さと、随所に散りばめられたコミカルな描写


 ・作品全体に漂う作者の優しさと、背中を押すような心に染みるメッセージ



 次にheisoku先生の経歴を紹介します。

 2020年8月に先生の初単行本作品『ご飯は私を裏切らない』が発売され、その後は『春あかね高校定時制夜間部』、『さわやかなディオラマ』第1巻の計3冊を世に出しています。

 一般的には新人漫画家さんと言われるのでしょうが……。

 自分はとてもそんな言葉には収まらないパワーを先生に感じています! 普通、作品に感銘を受けて何かを始める場合は、触れた作品は有名どころだというのが世の常ですが、自分はまだまだ駆け出しの先生の影響を受けて創作の世界に飛び込んだくらいですから!


 自分にとっては本当に人生を変えられたくらいとてつもない、憧れの創作者なのです!


 しかし前もって言っておきますが、先生の作品はお淑やかなものです。一見すると地味に見えますし、こういった作品の読み方に慣れていない方もいるかもしれません。

 しかしご安心ください! このエッセイを読んだ後ならば魅力も楽しみ方もきっと分かる……はずです! 文字数にさえ間に合えば!



 では上の項目から語らせていただきましょう。


 ・現実の閉塞感と心の内の強かな意志を描く作風、それによる唯一無二の温度感がある雰囲気


 なんといってもコレですよね!

 heisoku先生は悲しさや辛さのある薄暗いテーマをよく書いておられるのですが、その暗さは激しいものではないんですよ。

 誰かが悪意を持って迫ってくる悲劇は無いし、かといって何かが降ってきて都合良く救われるシナリオはありません。

 言うなれば、現実です!

 状況が積極的に追い詰めてくるわけではないし、劇的なドラマがあるわけでもない、しかし離れてもくれない、辛いけれどもどうしようもなくて付き合い続けるしかない、そのようなを完璧に描写した天才的な漫画家なのです。


 そして登場人物も良くてですね。

 先生の用意する主人公は基本的にがあるというか、そんな現実の中でも(『ご飯は私を裏切らない』から引用)と思っています。

 薄暗い霧に包まれたような閉塞感の真っ只中にありながら、キャラクターの心の中にはとても微かだけど決して消えない、強かな光のような『意志』があるのです。

 その閉塞感と意志の絶妙なバランス、辛い現実を懸命に生き続ける姿を見て貰える勇気が、自分の思う魅力の一つです。



 そしてコレの何がすごいって!

 heisoku先生、最後まで逃げなかったのです!

 普通だったら物語の盛り上げのために派手で分かりやすい悲劇だとか義務のような救われオチを用意するところですが!

 先生は最後の最後までそのようなものに逃げなかった……! 

 自分が『ご飯は私を裏切らない』の連載を追っていた時、さすがに最後に何かしらあるだろうと思っていたんですが、本当に最後までなんのストーリーも無く現実の閉塞感をそのまま貫き通したのを見て、そこにを感じたのです。 

 人によっては地味な作品に映るのでしょうが!

 自分はストーリーが無いことがとにかくカッコよく見えたんですよね! すげえ、やり遂げやがった、と!

 

 現実をそのまま描いた物語はつまらないなんて言説がある世の中で、現実の閉塞感をそのまま描いて、その上独特なワードセンスやものを見る視点で面白く仕上げて、そして読者を優しく元気づけてくれる!

 これは聞くだけなら簡単そうに感じますが、しかし登場人物がほぼ主人公のみでなんのイベントもない生活を11話分、面白く魅せなければいけません。豊富なセンスが無いと成しえないようなとんでもなく難易度が高い物語なのです。

 自分はそれに感動すら覚えちゃって。惚れるでしょう、こんなことされたら! 


 そして登場人物も良い! どんな状況にあっても意志を持って生きようとするスタンスにものすごく胸を打たれるのです。

 なんというか、強い意志を持っているわけじゃないんですよ。

 言うなればです。その絶妙なバランスがね〜、あばら🦴をそっと励ましてくれるようで。

 基本的に作中には『頑張って生きよう』というメッセージがあるですが、うずくまっている人に向かって「頑張ろうよ! 人生は楽しいことがいっぱいだよ。私のように人生を楽しもう!」という上からの感じではなく! うずくまっている人の横にそっと座って「頑張ろうよ。現実に希望なんか無くていろいろ大変だけどさ」と寄り添うようなスタンスが! めちゃくちゃ温かくて心に染みます!


 そして『兎とソルジャー』という短編漫画では本当に丁寧に丁寧にそれを描いていてですね。

 主人公が飼っていた子うさぎを抱っこしようとしたら蹴られるのですが、その時『どんなに弱くても何があっても君は生き延びるための最善を尽くすことができるんだろう。すごいね』と気づき、自分もそうしようと立ち直るシーンがありましてね。……ほんと感動しました! 脈絡もなくこうして書いているから皆様に伝わらないだけで、ちゃんと最初から読んだら、この展開を知っていても感動させられますよ!

 そんな風に劇的なことを起こさずに、ふと触れた生命の強さにハッとさせられるこの、丁寧さが素晴らしい!

 そっと励ますようなメッセージをあれ程丁寧にそして温かく描ける漫画家さんが、すごくないわけがないでしょう!

 読み終えた時背中を押された気がしましてね。自分も何か、何かを頑張りたいと思ってしまい!

 先生を追いかけるように創作の世界に来てしまった……!

 無料で今すぐ読めますのでね。刺激のある感動もいいのですが、静かで温かな感動をゆっくりと全身に染み渡らせる物語の楽しみ方を、あの作品と共に体験してみてはいかがでしょうか!


 それと最後に伝えなきゃいけないことが。

 長々と語りましたが、先生の作品はそればっかりではありませんからね!

 まぁ『ご飯は私を裏切らない』では特に原液のように濃密にその要素が詰まっていますが、『春あかね高校定時制夜間部』と『さわやかなディオラマ』ではその要素をしっかり取り入れつつ、別のコメディ的な面白さや深い感動がふんだんに盛り込まれた素晴らしい作品となっております。

 ですが油断していると『現実の閉塞感』が急に現れてぶん殴ってくるので要注意ですよ!



 やばい、語りすぎた!

 まだ1項目しか終わってないのに、執筆画面の右下に約3100文字って見えるんだが!? 自主企画の文字数上限6000字なのに!

 でもheisoku先生の素晴らしさをなんてこと、あばら🦴にはできない……!

 


 二つ目の項目。


 ・独特かつ卓越した言葉選びの秀逸さと、キャラクターの語り口の面白さ


 こちらも語らせてください!

 表現、言葉選び、ワードセンスが異次元!

 そしてそれをフルに用いた語り口が最高!

 ものすごくシビれます!

 それが『先生の視点の良さ』と合わさって完璧なハーモニーを奏でることで、他では味わえないheisoku先生独特の文章が生み出されるのです。


 まぁ、なんのかんの言いましたが。

 要するに良い意味でな文章に出会えるのですよ。

 それが面白い! 感覚的には「それをそんな表現するなんて考えつかなかったな」という感じ。

 ここからは具体例混じりで、試し読みが公開されている範囲からいくつかピックアップさせていただきます。


 例えば『ご飯は私を裏切らない』では。

 主人公は『疲れてしまって今すぐ誰もいない場所に行きたい』と思って、そして遠くに旅立つ動物はどんなのがいるんだろうと考えるのですが、一番いいのはアメリカギンヤンマであるという結論に至りました。その時の文章がこちら。


『そうか!! アメリカギンヤンマ

 アメリカギンヤンマこそ命の理想形

 人間が目指すべきモデル

 アメリカギンヤンマになりたい


 いや なる!!!』


 急にこんな他では見られない文章が出てくるの、最高に好きです! アメリカギンヤンマこそ命の理想形というパワーワードね!?

 しかも、変なことを言ってるんですが分からないわけではないんですよね。荒唐無稽ではなく思考の流れがあってその文章が出てきているから妙な納得感があります。

 めちゃくちゃ言ってるようで納得できるのが面白いところなのです! それに暗い思考の中で唐突にはっちゃけた文章が出てくるところにも衝撃がありました。



 続いて『さわやかなディオラマ』の一幕。

 状況としては主人公の藤田薄日がスマホを買おうと決意して買えたはいいものの、断りきれず色々とスマホケースなどまで分割払いで購入してしまいました。「分割払いになると思わなかったんだよ!」と嘆く薄日ちゃんに対し、もう一人の登場人物、乱堂良夜が「いやそれは言えばそう(普通に購入)できたんじゃないか?」と聞いた時の返答です。


『ど、どのタイミングで…?


 気がついた時にはもう書類できてて

 違うこと言ったらその書類を

 破棄してまたやり直してって

 手を煩わせることになっちゃう


 店員さんという社会的地位のある

 相手に背くなんて恐ろしいし』


 というね!? 新概念! 奇抜すぎて面白い!

 一応補足しておきますと、主人公の藤田薄日は高校卒業後の初就職先でつまずいて退職し、現在無職だからこそ出た言葉でもあります。

 それにしたって出てこない文章ですけどね。乱堂も(背く……?)と引き気味なのも好きです!

 heisoku先生の作品を追っていくと、こんなようなな文章がドカドカ出てくるから楽しいんですよね。


 

 そして最後、『春あかね高校定時制夜間部』でのコレも紹介したい!

 状況としては、谷原ゆめという高校生が授業中に書いた作品が優秀だということで、作文大会に学校代表で出てみないかと教師に誘われました。

 帰宅したゆめちゃんですが、プレッシャーへの恐怖からなのかすごく嫌がっています。実は中学でも同じ状況で当日仮病ドタキャンをかましました。そんな中での今回、というモノローグ。


 ───中略

『といった感じで

 同じ過ちを起こさないように

 奮起するのが正しい人間

 というものでしょうが


 私はしないよ


 何度でも同じ過ちを

 繰り返してやる!

 過ちを恐るな!


 キメろ仮病!』


 この思想を何故か必殺技の詠唱みたいにキリッと考えるのがもう面白いんですよね! それに、ゆめちゃんは俗に言うのようなのですが、そういった人たちの例えばプレッシャーに弱いみたいな思考の解像度が高すぎるのも素晴らしいポイントです。ちゃんとキャラクターを丁寧に作り込んでいるところが。


 先生の作品を読む時は、このような未体験の文章を探るつもりで読み進めるのも一つの楽しみ方です!


 ここまではな文章と評してコミカルに描かれた部分を引用したのですが、もちろんそれだけではありません。

 この文才がですよ、キャラクターの葛藤する心理描写だとか深掘りした想いだとか感動シーンなんかに向けられると、ものすごく研ぎ澄まされた表現で書かれてしまうので、読者の心を抉ってくるような文章が出来上がるのですよね!

 一応物書きの端くれとして、この文才にも憧れております! 

 その部分がどんな感じなのかはね、無料公開分で示すのは難しいので、是非ともお買い上げいただいてお確かめください!




 あぁっ、まずい! 次の項目の話をしていきたいのにもう約5100字って言われてる!?

 カクヨム公式様! 上限6000字はさすがに厳しいですよ……!

 先生の偉大さと自分が先生にかけている憧れの感情が、たった6000字に収まるわけがないでしょう!

 それに文字数制限が無かったら本当は、あの8項目のをした後で、先生の出された単行本三作品に一つ一つネタバレのないように『この作品はこういう所が良くてですね〜』って、レビューまがいの激推し語りもやりたかった!


 そして次の項目も。

 heisoku先生の絵は、どこかメルヘンチックで可愛らしい特徴的な絵柄をしていて魅力的なのですが、歴を重ねるごとに元々上手かった画力がどんどんレベルアップしていってるんですよ。そこも推していて楽しい部分なんですよ〜ってことを長尺で語りたかった!


 でもさすが2項目で語りすぎちゃって締めないといけない文字数になったので、勝手にまとめに入ります!


 

 自分にとってheisoku先生はどういう存在か。

 ざっと述べるならば! 分かりやすい刺激や乗りやすい流行が隆盛を誇る時代において、本当に大切なものを丁寧に描き出そうとしている、あばら🦴の永遠の憧れです!

 まぁこう書いてしまうと他にも居るだろうとなりますが、heisoku先生は個人的には特別なのですよ。


 ちょっと身の上話をしますとね、自分が『ご飯は私を裏切らない』に出会ったのは、高校も中退してガチ引きこもりをやっていた時期なのです。

 そのような人生に希望が見えなかった時に出会いまして、『希望が無くてもきっと大丈夫。淡々と生きていけるしご飯は美味しい』というスタンスで描かれたこの作品が、本当に心に染みて、他に無くて新鮮で衝撃的で、そしてものすごく救われました。まぁそのスタンスは自分が勝手に感じているだけかもしれませんが……。

 ……とにかく!


 heisoku先生はいつでも憧れのヒーローであり、誰がなんと言おうと美しい最高の推しなのです!



 以上。というわけで自分がどれほどheisoku先生に心酔しているか伝わりましたでしょうか。完全版激推し語り、いつかやるのも悪くないかも。

 では皆様、さようなら。

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heisoku先生についての激☆推し☆語りをしていきます あばら🦴 @boroborou

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