第18話

アイツのいない家族。


翌日も落ち着いた朝を迎える。

お弁当も私の分だけ。しかも残り物や冷蔵庫の物を適当に詰める。

朝ご飯も、子ども達が手伝ってくれた。

キャットタワーの最上段、行儀良く座り朝日を浴びる愛猫は、何とも神々しい。


順調に進む支度。今までより時間に余裕ができ、心穏やかに過ごす

…には、賑やか。子ども達が喧嘩してる。些細な事で言い合う。登校時間なのだから、早く解決を促す。穏やかさはどこに?



夕方。この後の家事をあれこれ段取しながら帰宅したら、洗濯物が畳まれていた。キッチンから「おかえりなさい」と声をかけられる。

擦り寄ってきた愛猫を抱き上げ、キッチンへ向かうと米びつとお釜の前で子ども達が悩んでいた。どうやら、家庭状況的に家事を手伝おうと話し合ったらしい。出来る事からと手始めに洗濯物を畳み、お米を炊こうとした。…が、いつも何合炊いているのか分からず困っていたと。


心がいっぱいになり、涙が溢れそうだった。

父親がいきなり不在になった。父親の不在を止められなかった。寧ろ促してしまった。母親のみで家事や育児を回さなければならず、子ども達のフォローが手薄になってしまった。そんな中で、悲観せずに自分達の出来る事で助け様としてくれる子ども達の気遣い。


「ありがとう」の言葉が震えた。


父親がいない環境でも、子ども達は大きく成長をみせた。



「ナー」と鳴く愛猫。

キミも大事だよと撫であげた。

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