第17話

アイツ分の家事。


朝食後に冷蔵庫を開ければ、昨日作りすぎた夕飯の残りがあった。私のお弁当にしようとお弁当箱に詰めた。

好き嫌いのあるアイツの為に2人分せっせと朝から頑張っていた。今日は一から調理しなくて楽だった。


朝の洗面台戦争。

いつもはアイツの身支度に時間がかかるので、子ども達も私も隙間時間を狙って慌しく準備し、ヘアセットなど自室で出来る事はそちらで済ませていた。 仕事に行く親と学生の子供では、親の方が優先されるのは家族の共通認識だった。父親として気遣っては欲しかったが。


今日は順調に支度が終わった。自室で可能な支度は済ませ、洗面台も気遣い合いながら進んだ。


夕方、帰宅後の家事の最盛時間。

アイツの夕飯がいるのかヤキモキしながらの炊事は、明日のお弁当分も含めていつも通り作った。配膳も3人分、並べれば良い。

食後も食器もそのままなアイツの分を片付けなくても良い。(元々子ども達は、食後自分の食器は自分で運ぶ。)

洗い物も、アイツの帰宅待ちで残った食器を気にせず全て洗い終わった。


お風呂も順次済ませてくれて、洗濯も終わった。

いつも遅くに帰ってくるアイツを待つか、翌日に回すか悩み所だった。

脱ぎ散らかされたスーツもグルグルになって片っ端だけの靴下もない。

ワイシャツのアイロンがけもない。


それぞれにくつろぐリビングで、バタバタを大きな音を立てて動き回るアイツもいない、静かな夜。愛猫も心なしかいつもより長く伸びて次女にゴロゴロ甘えている。

父親不在でも気にしていなさそうな子ども達。

「お父さん、いなくて寂しい?」一応聞いてみる。

「あぁ、昨日からいなかったっけ。最近会う時間なかったからこんなもんじゃない?」

「寧ろ、寝る時間に静かで良く眠れたよ。」


…全然大丈夫みたい。



1日過ごしてみれば、アイツいなくても家事は楽になる様だった。 夜中のビール缶とおつまみのカラを朝片付けなくて良いし、愛猫が口にする心配もなかった。

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