第10話

出ていくあなた。


驚いている彼女を宥めるあなた。繋いだ手はそのままに。愛娘に「おかえり」の挨拶もない。娘すら目に入らないのか。


落ち着いた彼女を椅子へ座らせ、外泊の準備をするあなた。

このまま彼女と対面していても涙が出てしまいそうなので、新しいお茶を準備することとした。

『離婚』の話しが頭を占領し、上手くお茶の準備が出来ない。


そうこうしている間に1泊にしては多い量の荷物を抱えて戻ってきたあなた。彼女の腰に手を添え見つめあったまま家を出て行った。


「いってきます」の挨拶なんて、いつが最後だったんだろう。

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