第11話
あなたのいない家。
閉じた玄関ドアを見つめ立ち尽くしていた。
不意に玄関ドアが開き、あなたかと思った。
「ただいま」と次女が帰ってきた。急にドアが開いた事とまだあなたを期待していた事に驚き「お、おかっ、おかえりなさい」とまともな挨拶が出来なかった。
「おかえり」と長女の声がして、ようやく気持ちを持ち直した。
私にはこの子達がいる。夫婦の事で不安にさせてはいけない。涙を見せてはいけない。この子達を守らなくては。
現在夕刻。ぼぉっと突っ立てる場合じゃない。主婦の夕刻は忙しい。家事に気持ちを切り替えて行動を起こした。
いつも通りに作ってしまった料理をタッパーに詰めていたら、どうして父親の皿じゃないのか問われた。
困惑していると、「会社の人にはお父さんの支えが必要だから暫くそちらのお家に泊まる」と長女が言った。外泊準備中の父親と廊下で会い、そう説明されたらしい。
「暫く泊まる」
1泊外泊をお願いしたが、暫く帰ってこない。
“大黒柱”を失った我が家をどうして良いか分からなかった。
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