第9話

あなたとの思い出。


あなたと彼女の未来予想図とやらを聞き流していたら、目の前が暗くなってきた。何も考えられなくなってきたので、離婚届けも含め、後日改めて話し合う事とした。


あなたといると考えがまとまらない。子ども達も帰って来るから、今日だけご実家に行ってもらえないかお願いした。


「考えるも何も『離婚』一択なんだから。まぁ気持ちの整理も必要だし。〇〇を支えてやりたいからな。〇〇のアパートへ行くよ。」


これ以上は…と涙が出てしまいそうな時、愛猫の軽快な足音と鳴き声がした。


「ただいま」と愛猫を抱えた長女が帰宅。私の「おかえりなさい」声が届いてないのか彼女をじっと見る長女に、『お父さんの会社の人』とあなたは紹介した。困惑しながら挨拶する長女に「カワイイー」と愛猫に触ろうとする彼女。不意に威嚇モードに入った愛猫を庇う長女。咄嗟に彼女の伸ばした手を掴むあなた。


彼女に確認したら、人生で猫を飼った事がないと。ならば尚更、むやみに猫を触らない方が良い。いくら管理された家猫といえ、病気の可能性は皆無ではない。猫由来の感性症や寄生虫、アレルギーなどが胎児に悪影響を及ぼす。判断の甘さが胎児の一生に関わる。そうなれば、心優しい〇〇だ、後悔しきれない。とあなたは彼女に諭す。


私もこちらの女性は妊娠中で有事があっては一大事なので、愛猫と共に部屋に行く様に長女へ説明した。


愛猫と部屋を出る長女。

あの子を妊娠中に猫を飼いたいと言い出したあなた。ペットを飼った事のない私。妊娠中は飼えないって言っても納得せず無理矢理飼おうとするあなた。妊婦健診に同席してもらい産婦人科医からコンコンとお説教された。


あぁ、あの時の医師の話し、覚えてるんだ…。

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