5章ー閑話

 アングルの昔話。

「もともと私の能力の千里眼は、例えていえば私の眼が私の体を離れて世界を彷徨うような感じだった。無論、本当に眼球が体から抜け出すわけではないが、能力を使っている間は私は目が見えない状態だったし、見ている映像を他人と共有もできなかった。

「それだけでも結構なペナルティだが、どうもその動かせる視点の部分に実体があったらしく、ある日戦闘に巻き込まれた際に大怪我を負ったのだ。

「それで片目の視力を失い、架空の眼球も無くなって能力を使えなくなった私は、今度はマジックアイテムの映写機を補助に使うという条件で修行をした結果、使いにくいのは確かだが能力をかなり取り戻し、他人に見せられるという利点も得たのだ」




 ペナルティが重すぎて使いにくい能力の持ち主には、修行して能力が弱ることを我慢すれば少しペナルティが変えられるという希望になるのか、結局強い能力にはきつい欠点が付くのは変わらないと言う、最初に能力を願う時に欲張らねば良かったと諦める話になるのか、よく分からない体験談であった。

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