追放されたコミュ障錬金術師は、崇拝するヤンデレ聖女様の過剰な愛情に気づかない

勇者パーティーの錬金術師カイは、ある日突然、追放を言い渡された。
「お前の作るポーションは色がキモい！」「詠唱が呪詛にしか聞こえん！」
あまりに理不尽な理由だったが、極度に自己肯定感が低いカイは「やっぱり俺は無能だったんだ……」とあっさり受け入れてしまう。彼の作るポーションが、どんな怪我や病も一瞬で治す”神薬”であることも、彼の補助魔法が”神の奇跡”と呼ばれてもおかしくないレベルであることにも、彼自身が全く気づいていなかったのだ。

失意のまま辺境の地でひっそりと暮らそうと決めたカイ。しかし、そんな彼の後を、光の速さで追いかけてくる人物がいた。
「カイ様……やっと、二人きりになれますわね」
それは、パーティーの聖女だったセシリア。彼女だけが、カイの本当の価値を――いや、価値を通り越して、神の…続きを読む