4,5級バトルロイヤル編
第6話:バトルロイヤル開始!
バトルロイヤルの当日、重影が控え室に現れたのは集合時刻のわずか2分前だった。
「あー、重影やっと来た。もう開会式始まってるよ?」
「悪い悪い」
控え室のモニターには開会式の様子が映し出され、周りには重影や霊泉と同じ第四大陸在住の参加者たちが集まっている。
「それでは、戦いを繰り広げる参加者の皆さんに登場して頂きましょう!」
司会が言い終わると同時に、1人の少年がステージの片隅に現れる。
「まずは北大陸の参加者から紹介します。
(こいつが噂の冬海 凍次か。デスゲーム初出場から今まで、10大会連続で無傷で優勝し続けてるっていう)
凍次は観客席に手を振りつつ歩いてステージを横切り、指定された位置につく。
「
凍次に続き、北大陸からの参加者たちが1人、また1人とステージに転送され、入場していく。
「やっぱり観客多いね。なんか緊張してきた」
「ああ。中央大陸はデスゲームが盛んだって聞いてたが予想以上だったな」
「
「あ、この子かわいい」
「中1かな。5級異能力者って情報少ないから逆に厄介だったりするんだよな」
北大陸からの参加者たちの紹介が終わると、次に中央大陸の参加者たちの紹介が始まった。
「続いて、中央大陸の参加者を紹介します。
スーツを来た女がステージ上に転送されると、観客たちの歓声がひときわ大きくなる。
「え、有名人じゃん。本人?」
「残念ながら本人らしいぞ」
(東条 時雨。まさか第五大陸建造プロジェクトの常駐メンバーが出てくるとはな。てっきり2級とかだと思ってた)
「
中央大陸の参加者たちも次々に入場していく。
「30人中11人だっけ。やっぱ中央大陸は人数多いね」
「圧倒的に人口多い上に地元開催だからな」
「そろそろ重影の番じゃない?」
「あ、本当だ」
中央大陸の参加者紹介が終わりそうなタイミングで、重影の体が光に包まれる。
(確か、体が光ったら歩き始めろって言ってたな)
前日に運営スタッフに言われたことを思い出し、重影は歩きだす。次の瞬間、ステージ上に転送された。
(うおっ、照明眩しいな)
「
「フォォォォォォオ!!」
重影の前を歩いていた、霧峰と呼ばれた男が異能力で自身の周囲に霧を発生させつつ、叫んで観客にアピールしている。
(いや事前予想下から2番目であのテンションはすげぇな。自分で異能力バラしてるし)
「続いて、第四大陸からの参加者を紹介します。重影 翔、4級。事前予想3位」
重影は観客席に向かって手を振りつつ、他の参加者たちがいる方に向かう。
「霊泉 葵、4級。事前予想6位」
今回のバトルロイヤルには北大陸から6人、中央大陸から11人、第四大陸からは重影たちを含めて5人、南大陸からは8人が参加している。
「どうした霊泉、寝不足か?」
「照明眩しくて何も見えないんだけど」
「ああ、だからそんなに目ぇ細めてるのか」
第四大陸の参加者も全員入場し、残すは南大陸のみとなった。
「最後に、南大陸からの参加者を紹介します」
(しかし驚いたな。事前予想で冬海 凍次より上がいるとは)
他の参加者たちも重影と同じことを考えているようで、ステージに転送されてきた男に一斉に注目した。
「
大橋は歓声の中、露骨に嫌そうな顔をしながら歩いてきた。
(うわ、あれ1位が狙われやすいの知ってるやつだ)
「では改めまして、今回の参加者と事前予想はこのようになっております」
参加者全員が入場した後、背後の大モニターに参加者たちの一覧が表示される。
(フィールドの地図や事前予想は前日に参加者たちに配布されるが、バトルロイヤル開始後はすべて確認不可能。そこは今までの大会と同じだ)
「参加者の一斉転送と同時にバトル開始となります。それではカウントダウン、いきましょう!」
参加者たちの体が光に包まれ、観客からのカウントダウンが終わるタイミングに合わせてフィールドである無人島の各地点に転送されていった。
「それではバトルロイヤル、開始です!」
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