エピローグ
//耳元で囁かれる
「起きてください。起きてくださーいお兄さん」
「起きろー! 朝食できてますよ〜」
「もう! 起きないとまた耳元でシャベルをガンガン鳴らしますし、ヘラクレスオオカブトのゴンザレス君七号の餌やりさせてあげませんよ!」
//SE 布団から起き上がろうとする音
「それともお兄さんはまた耳元でざぁ〜ことか囁かれたいんですか?」
//SE 布団を被る音
//耳元で大音量
「どうして起きかけたのに眠ろうとするのですか!?」
//SE 布団に肘を置く音
//耳元で囁くように
「うるさいって、起きないお兄さんが悪いんですよ」
「そりぁまだ日が出たばかりの薄暗い早朝ですけど、今日は朝からお爺ちゃんの家の清掃をするって言ったじゃないですか」
「住まない家はすぐ駄目になるんです。小まめな手入れと掃除が大事。掃除が終わったらあちらの家で一緒にダラダラしましょうよ。お兄さん」
「もうっ! 田舎の雑草舐めんな都会っ子! 日が昇ってから草刈りとか余計にしんどいですよ!」
「お爺ちゃんの家に寄った後はお父さんのお見舞いも行かないといけないし。別にしんどいならお兄さんは病院には行かなくても……」
//SE 布団がめくれる音
//呆れた声で
「どうしてお兄さんはお父さんのお見舞いでやる気を出すんですか」
「私はお兄さんにいつまでもうちの家にいてもらって構わないと思ってますよ。でもあの家はお兄さんがお爺ちゃんから貰ったものです。たまには帰ってあげないと寂しいじゃないですか」
//影を感じさせない笑顔溢れる声で
「ほら私と一緒にですから」
「掃除も草刈りも穴掘りも。私達二人ならどんな些細なことも楽しいですよ。今も昔も!」
「また手を握って引っ張り出してほしいんですか?」
//嬉しそうに甘えるように
「お兄さん♪」
ヘラクレスオオカブトを飼うシャベルを担いだ謎の穴掘り地雷系女子が実は昔男の子だと思い込んで遊んでいた幼馴染と判明するASMR めぐすり@『ひきブイ』第2巻発売決定 @megusuri
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