第4話

そのころ、京の都は大いなる飢きんに見舞われ、民は飢えに苦しんでおった。御門は、美作の国の領主に使いを遣わし、助けを乞うた。領主はすぐさま領内にお触れを出し、農の民から米を集めさせた。

 それから太郎が、米俵を肩にかつぎ、茶葉を詰めた「かます」を胸に抱え、京の都へ向かった。太郎は三歩あれば、美作から45里以上ある京までたどり着ける。幾度も往来し、都を救ったという。

 その働きに、領主は太郎へ金品の褒美を授けた。だが、それを妬んだ悪しき者が現れ、太郎の草履に毒針を仕込んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る