第9話 三日目と公表
あさ、横内の異動が看護部内で共有された。驚くものもいれば、当然と頷くものもいた。無表情を貫くものもいた。海道は別段驚きもせず、その病院なら隣町だろうし、とても遠いだろうな、大変だな、と思いながら指の爪を確認した。奥津はマジかと口をぽっかり開けていた。
「へくしゅん」
しかし、くしゃみをするものは沢江ただ一人であった。
♦︎
実際、横内の想像よりも何も言われなかった。寂しいか、それとも想像通りすぎて一周回って何も感じないのか。横内の思うところは不明だが、いつもの日常がナースステーションに訪れていた。
山内にはまだ共有されていない。海道も山内に共有はしなかった。別に後で全体周知されるのなら自分が話さなくてもいいだろうと思っているからである。
山内はいずれ横内の相談に乗ってやろうと思っている。パソコンをタイピングしながら、横内と話す予行練習を熱心にしていた。横内が異動になると梅雨知らず。
いつも通りの日常。
沢江はどうか。
横内は目を伏せながら沢江を見るも、何も起こらず。いつものようにすれ違う距離も詰めてこなかった。
沢江の横内に対しての態度が、全くもってまともになってしまったのである。
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