第16話

陽菜の告白を聞いた後、私たちは、この部屋が、私たちの後悔を喰らうことでその力を増していくことを知った。悠真は、兄の真実を陽菜に伝え、彼女を呪いから解放しようとした。陽菜は、兄を憎むあまり、自らを呪いに縛り付けていたことに気づき、その場にへたり込んだ。


「…私は…どうすれば…」


陽菜の言葉に、悠真は、彼女の手を掴んだ。


「大丈夫だ、陽菜。私たちは、もう一度、やり直せる」


悠真の言葉に、陽菜は、涙を流しながら頷いた。彼女は、兄を憎むのではなく、兄を失った悲しみと向き合うことを決意した。その瞬間、部屋の壁の血肉は、まるで生きているかのように、私たちに襲いかかってきた。


「悠真くん、早く…!」


私が叫ぶと、悠真は、陽菜の手を掴み、私たちと一緒に走り出した。しかし、どこへ逃げても、血肉は私たちを追いかけてくる。私たちは、絶望と恐怖に打ちひしがれ、部屋の隅に隠れた。


その時、悠真が、私に言った。


「りお、僕を信じてくれ」


悠真は、そう言って、私に一枚の写真を差し出した。それは、悠真の兄が、陽菜と楽しそうに笑っている写真だった。


「この部屋の呪いを解くには、この写真に隠された秘密を解き明かすしかない」


悠真は、兄が残した手記から、ある事実を突き止めていた。兄は、裏切り者の友人をこの部屋に誘い込んだのではなく、彼を救うために、この部屋の呪いを終わらせる方法を探していたのだ。しかし、兄は、その方法を見つけることができず、この部屋に閉じ込められてしまった。


悠真は、兄が残した手記と、陽菜が持っていた兄の友人の資料を組み合わせることで、ある「後悔」の記憶にたどり着いた。それは、兄が、友人を救えなかった後悔だった。そして、この部屋の呪いを終わらせるには、この後悔を乗り越えるしかない。


「りお、この部屋の呪いを解く鍵は、僕たちの『後悔』にあるんだ」


悠真の言葉に、私は震えた。私たちは、この部屋で、自分の心の闇と向き合い、この呪いを終わらせるしかないのだ。

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