第3話 日本のCIA

防衛省の情報本部の真田は、大松駐屯地から内調の依頼でヘリコプターが出動し、内調のスタッフと民間人を一ヶ谷駐屯地まで運んだとの報告を受けていた。

「内調が、民間人を秘密裏に移動させる。何があった」防衛省の情報本部でも足取りを調査することにした。


矢部総理の国会答弁やインタビューをモニターで見ながら、実際に真似てみろと言われる。

物まね芸人でもない田尾にとって出来るはずのないリクエストである。声紋を調べる機械に録音しながら実際にしゃべってみる。佐々木によると声紋の検査技師も理容師やスタイリストも内調の職員らしい。

イントネーション以外は、声やしゃべり方、そして声紋もそっくりらしい。骨格や顔が似ていると声も似るらしい。

田尾本人は此処までくると「どうにでもなれ」どうせ失うものは何も無いとと腹を括った。

そして身振りや手振り、食事の食べ方、マスコミへの対応など、練習する毎日が4日ほど続いた。

矢部総理は今も病院で生死の狭間を彷徨っているらしい。

衆議院選挙もあと5日で投票を迎える。

「ところで、時給はいくらなんだろう」素朴な疑問を感じながらこの日も就寝した。


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