第7話 そろそろ始めよう…
「カガリちゃん?」
「どうかした?」
めったに声を荒げることのないカガリが、珍しく感情をあらわに
している。
「きっと…あのメッセージみたいに、アキちゃんに何かを伝えたいのよ」
やけに強い口調で、そう言う。
「そうだな」
すぐに、ショータがうなづく。
「とにかく…心当たりを当たってみるよ」
ショータがアキに向かって、キッパリと言い切る。
その言葉をたがえることなく、ショータからグループラインが届いた。
ただ一言、「見つけた!」というものだ。
「ねぇ~何を見つけたの?」
すぐに聞くけれど…返事はただ一言、
「連れて行く」と。
「連れて行く?」
「誰を?」
「どこに?」
「なんで?」
立て続けに打ち込まれるみんなの質問には、ものの見事にスルーされる。
「ねぇ、どう思う?」
アキがカガリに尋ねると、
「さぁ?何か見つけたんでしょ?」
相変わらず、感情を見せることなく、淡々とした返答だ。
「えっ、そうかなぁ?」
それにしても、何でショータがもったいをつけて、何一つヒントをくれない
のか、わからない。
「なんでだろうねぇ」
いつまでもこだわるアキに、
「行ってみれば、わかるわよ」
相変わらず、のんびりとした答えが返って来る。
結局呼び出されたのは、学校の体育館だった。
「なんで、ここ?」
「運動クラブの人が、困るんじゃあない?」
幾ら長期休暇中とはいえ、部活で使用するだろうに…とアキは思うのだが。
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