第6話 プロローグ…6

「それよりも…ここに誰が置いて行ったのかの方が、気になるなぁ」

 しきりと白いツボを見ている。

 何の特徴もない、たぶん一般的に流通している、ありふれた白い

骨ツボだ。

「これって、意外と簡単に、手に入るんだろうなぁ」

 何気ないショータのひと言に、

「だったら…あのオジサンのツボではないんだ…」

てっきり、手がかりになるか…と思っていただけに、アキはあからさまに

ガッカリした声になる。

「いや…まだ、わからないよ!

 もしかしたら、そうかもしれないしなぁ」

落胆の顔を少しも隠そうとはしないアキを見かねて、ユウジが励ますように言う。

「どうかなぁ」

 すっかり勢いがなくなるアキだったが…

「この家の玄関に、わざわざ置く、ということは…

 アキちゃんの知り合いかもしれないなぁ」

ショータがアキに向かって、そう言う。

「単に、誰かが置いて行ったのかもしれない。

 捨てたかもしれないわよ」

急に後ろ向きな発言をする。

「アキちゃん!それは違うわよ」

カガリが、リンとした声で言い返した。

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