第6話

「ボランティア?」

「はい、ボランティア」

「なんのボランティアですか?」

「炊き出しです」

「炊き出しってあのー、ホームレスとかに食べ物をだすやつ?」

「それです」

「ボランティアかあ」

「無理にとは言わないです」

「いや、やります」

 お金が貰えなくても、人の役に立てるならなんでもいいと思った。

「やったあ」

 神崎は嬉しそうにする。

「あはは、家いてもやることなくて、退屈で。仕事しようにも全然見つからないしで、ちょうどどうしよかなって思ってたんで」

「じゃあ」

 神崎と温水は連絡先を交換した。


 公園。

「どうぞー」

 ホームレスがテント前に並んでいる。その人達に豚汁を渡す。

 温水の隣にはロボットがいる。

 温水はロボットを見る。

「あの」

 ホームレスの男が温水に話しかけた。

「あ、はい」

 豚汁を渡す。

 明らかにロボットのほうに人が多く並んでいた。ロボットのほうが手際がいいのだ。もたもたしている温水とは違う。

 温水はずらーっと並んでいる人を見てから、豚汁を見る。

「今日は本当にありがとうございました」

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