火種爆発
おいおいおいおい精霊にして超能力者そして同じ学校の生徒だって?
もう情報があり過ぎて混乱している。
そもそも俺はどのスタンスで接するべきなのか?
①精霊である本郷さんに精霊の王かもしれない俺として
②同じ超能力者として
③単なる同じ学校の生徒として
③はもう無理だ。
今更普通の生徒には戻れない・・・①は精霊王じゃない可能性がある以上そのスタンスは危険すぎる・・・ここは無難に同じ超能力者として接する。
超能力者の施設にいるわけだし・・・。
「何をぶつぶつ言ってるんだい?」
「わぁ!本郷さん・・・とりあえず超能力者として・・・」
「?僕は超能力者だけど・・・何?」
「なんでもない」
まずい、完全に心の声が漏れてた・・・。
「お前らさっそく訓練を始めるぞ」
訓練一体何をするんだろうか?そもそも超能力って鍛えられるものなのか?
「まずは逆立ちで腕立て300回3セット!」
「出来るわけないじゃん!そもそも逆立ちが出来ん!」
「普通出来るだろ?」
「マッスルの普通は普通じゃない」
「僕出来るよ」
おいおいこの場において出来ない俺が普通じゃなくなってるぞ。
こうなったら超能力で・・・」
「超能力を使うな!!貴様ズルをしたなバツとして1セット追加だ!!」
「追加も何も1セットも出来ないんだけど・・・」
「本郷を見てみろ!ちゃんと出来ているじゃないか!!根性だ!気合いだ!やる気が足りない!!」
やる気とか根性とかも無いんだけど・・・それだけで出来るなら苦労しない。
「次は片足スクワット!!3000回!!」
「あの・・・このトレーニングは超能力となんの関係が・・・?」
「超能力は体力!!体力あってこその超能力!!体力こそが基本だ!!」
そんな理論?いまいち関係がある気がしないんだが・・・地獄だ。
そんなつらい1週間が終わった。
「よくこの厳しい訓練に耐えた!よくやったぞお前ら!」
耐えられてはいない・・・というよりまともに出来たものがない。
そして久しぶりの学校だ。
みんな喧嘩してなければ良いんだが・・・。
生徒会室の扉を開けるとそこは別世界だった。
「きれいだ・・・きれいに片付けられている」
理路整然と並べられた書類、ゴミ1つない床、家具もしっかり定位置に配置されている。
一般的には普通の生徒会室なんだが、ここ昨今の乱れた感じからは想像ができない光景だ。
「お前こんな所で何をしてる?生徒会室は今出入り禁止だぞ!」
「ラリアット・・・」
「ラリアット・・・食らいたいのか俺のリキラリアット」
「いえ結構です」
体育教師高崎棟義明・・・名前にリキ要素がないくせにリキラリアットって・・・。
「なんか言ったか?」
「いえ・・・ただ生徒会室が・・・」
「ここは荒れてたからな使用禁止にして生徒会は追い出した」
「どこへ?」
「さあ追い出した連中がどこへ行ったかは知らん。とにかくあいつら生徒会室を破壊し続けていたから2度とこの部屋には出入りさせん。わかったらお前も早く出てけ」
ラリアットの言うことはもっともだ。
あの状況で怒られてなかった事のほうが不自然だ。
「生徒会はどうなる・・?」
「解散だ!解散のうえ生徒会長選挙をして新しい生徒会で再スタートだ!」
「先生キレでます?」
「キレてないです」
言った言ったぞコイツ、見た目からしてあのレスラーを意識してると思っていたけどコイツ完全にあのレスラーに寄せていってる。
ラリアット改め長州だな。
「なんか言ったか?」
「なんでもないっす!キレてないです!」
そんなくだらないことは置いといて高峰さんたちを探すさそう。
「生徒会長?そう言えば音楽室で見かけたな」
「さっき家庭科室にいたわよ」
「高峰?校舎裏じゃね?」
聞けば聞くほど高峰さんの行方がわからない。
目撃証言がバラバラだ。
一体何処へ・・・?
化学実験室を通り過ぎようとしたとき・・・・口元を押さえられ中に引き込まれた。
なんだ?超能力者の刺客か?
違った・・・高峰さんだ。
「何を?」
「しっ!見つかるわ!」
「何をこそこそしてるんですか?俺がいない間に何が?」
「高崎棟よ!あいつが私たちから生徒会室を奪ったのよ?」
「長州が・・・?」
「誰ですの?その長州って?」
「いやなんでも・・・で高崎棟が何を?」
「急に生徒会室にやってきて私たちを追い出したのよ生徒会が乱れてるとか難癖をつけてきて」
「難癖ではないと思うが・・」
「しかも私たちが集まる場所ある場所に来ては追い出していくのよ。これでは完全に不良扱いですわ」
「不良よりひどいと思うが・・・」
「まあ私は生徒会室とかどうでもいいんだけどね。学校にこだわりないしうちの犬小屋にでも集まったらいいのよ」
「水無月さん俺の部屋・・・」
「犬の部屋よ」
「急に学校に居場所が無くなった・・・」
「香春・・・居場所は自分で作るもんだ」
「相模原陰キャのくせに偉くなったな・・・そうだ!そんなことよりだ。おまえ本郷亜希ってやつ知ってるか?」
「当たり前だろ!3年3組のかわいい女子だろ!割と人気だぞ!どうしたんだ急に?」
「いや別に・・・」
「別にじゃないだろ僕と一緒に寝泊まりしたろ」
「ほっ本郷さん!ちょっと誤解が・・・」
「なんだと!おまえ!俺たちが生徒会室を追い出されて大変な思いをしているときに!女子といちゃついていやがったのか?」
「違う違うそんなんじゃ・・・」
「ふーん王にも1位にもならないあげくにそういう事だけはするんだ・・・」
「水無月さん違うよ違うんだよあくまで合宿・・・」
「えー何が違うの一緒に汗をかいた仲じゃない」
「へーそういう関係なんだ・・・渡瀬君犬小屋に住むのも汚らわしいわね」
「違う違うあくまで超能力協会の訓練で・・・」
「そもそも超能力って所から胡散臭かったのよね」
「ねっ僕とあっちに行こ!」
「待ちなさい!渡瀬君は私たちの所有物ですわよ」
「所有物・・・高峰さん俺は・・・物?」
「えー今日から僕のものかと思ったのに」
「なっ何を急に・・・」
本郷さんが僕の手をそっと握っている。
緊張で手汗…というか全身から汗が出る。
「何?2人は結局そういう関係なの?本当にきもいんだけど」
「僕と一緒に2人で新しい生徒会を作るんだよね」
「はい?」
初耳なんだけど・・・。
「それはどういう事かしら私に対する謀反ととらえて良いのかしら?」
「違う・・・というか忠誠を誓ってもないんだけど・・・」
「良いですわ臨時の生徒会長選挙があるわけですしそこではっきりとさせてあげますわ。私と本郷さんの格の違いというものを!」
「あー僕怖い」
「うわぁっ」
なぜ抱きつく・・・緊張感がすごすぎる。
「高峰さん!私はあなたを応援しますわ。こんな汚らわしい人たち思い知らせてあげるわ」
「水無月さん俺は別に・・・」
「言い訳はみっともないわ!行きましょう高峰さん」
なんだなんだあんなに仲の良くなかった2人が仲良く・・・そして本郷さん火種が強すぎる!!
もう爆破レベルだよ。
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