第5話 マッスル老害フェスティバルって何ぞや?
「……瑠璃菜ちゃん、1位とるのは不可能だし恥をかくだけだからマッスル老害フェスティバルは止めたほうが良いかな」
女性は言う。
「?」
瑠璃菜はえ?なんでという表情で女性を見る。
「瑠璃菜ちゃん、ゲーム経験は?」
「……(ない)」
瑠璃菜はチャットで女性に伝える。
「ゲームメーカー対抗戦の種目は経験値依存や多人数が当たり前なの。だから1日ではどうにもならないんだよ」
女性は渋い表情で瑠璃菜に言う。
「?」
瑠璃菜はそんなに大変なんだという様子で女性を見る。
「それにライブ配信されるから、恥をかくだけだよ」
「!」
瑠璃菜はライブ配信という単語を聞いた瞬間、目を輝やかせる。
「……(楽しそうだから出る!)」
瑠璃菜はテンション高めて笑顔を見せる。
「おい、あんた!」
「へいへい」
ブーメランパンツの男が代わり瑠璃菜に近づく。
「はっきり言う。マッスル老害フェスティバルは
ブーメランパンツの男は説明をする。
「?」
瑠璃菜は首をかしげる。
「超人老害伝説は未完成でリリースしている理由はフェスティバルのイベントの生け贄を集める為の餌なんだよ」
ブーメランパンツの男は渋い表情で説明をする。
「……」
瑠璃菜は納得した様子を見せる。
「報酬に何度か釣られた人はイベント後、皆、二度とやらないとか、ぼやいていなくなったね」
女性は疲れた様子で言う。
「そういうわけで、帰りな」
「……(どうして本当の話をしたんですか?)」
瑠璃菜は不思議そうな様子でチャットで女性を見て聞く。
「ゲーム初心者が今回のイベントがきっかけで嫌いになったり、トラウマになるのを見たくないだけだよ」
女性はそっぽを向いて言う。
「俺たちは仕事で超人老害伝説に来た初心者をイベントに誘導するのが役割なんだ」
ブーメランパンツの男は言う。
「……」
瑠璃菜は無言でふむふむと頷く。
「ゴールデンウィーク中にはゲームは終わって仕事も解雇だからね」
女性は諦めた様子で言う。
「……(解雇!? やめちゃうの!?)」
瑠璃菜はチャットで女性に言う。
「超人老害伝説はゲームメーカーの子会社の一つであり左遷先であり、天下り部署だからね」
女性は疲れた様子で言う。
「……」
瑠璃菜は悲しい表情で何となく頷いた。
「瑠璃菜ちゃんは気にしなくても大丈夫だよ」
女性は疲れた様子で笑顔を見せる。
「……」
瑠璃菜もうーんと考える様子を見せる。
「瑠璃菜、だから気にしなくても大丈夫だ」
ブーメランパンツの男は言う。
「……(やっぱりマッスル老害フェスティバルに参加する)」
瑠璃菜はチャットで2人に伝える。
「同情なら」
「……(私は本気で勝ちたいから言ってるの!)」
瑠璃菜は真剣な表情で女性を見る。
「……あんた、どうする?」
ブーメランパンツの男に声を掛ける。
「……AIのミカゲに聞いて見るか」
ブーメランパンツの男は考えた様子で言う。
「……そうだね」
女性も納得した様子で言う。
「?」
瑠璃菜はハテナを浮かべる。
「ゲームにはAIが管理している。だから、基本、バグや不具合は自動で修正されたりするんだ」
「……」
瑠璃菜はふむふむと女性の説明に頷く。
「それで、AIのミカゲにまず勝つ方法があるか聞いて見る」
女性は説明する。
「勝つのが不可能と言われたら諦めて帰りな」
「……」
瑠璃菜は素直に頷く。
「よし、あんた! AIミカゲを」
『ふぁーー。いますよ。』
「「「!」」」
3人は金髪の女性がいつの間にか現れたのに驚く。
「……盗み聞きかい?」
『寝ながら聞いてたから、聞いてないかな』
ミカゲは眠たそうな様子で答える。
「早速だが、瑠璃菜はマッスル老害フェスティバルに参加して勝てる可能性はあるかい?」
女性は聞く。
『現段階では、勝つのは不可能ですね』
「……?」
ミカゲは即答する。
「だ、そうだ」
「……」
瑠璃菜は真剣な様子で考え始めた。
「そういうわけだから、帰りな」
「……」
瑠璃菜は無言でミカゲに視線を向ける。
「……[不可能を可能にする方法を教えて]」
瑠璃菜は真剣な表情でミカゲの瞳を覗き込む。
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