第4話 やることは決まりました。

「ふおーーーーーーーーーーーーーー!?」


 ぐしゃと何かやばい音が聞こえて、ブーメランパンツの男が膝を付いて悶え苦しみ始めた。


「……」


 瑠璃菜は無表情でブーメランパンツの男を見る。




「お、ふ、う」


しばらく悶え、苦しみながら足をプルプルとなって立ち上がった。


「……」


 瑠璃菜はジト目で変態かな? 変質者かな?という様子で攻撃体勢に入る。


「変質者でも、変態でもないから、攻撃体勢に入るのはやめてくれ!!」


 ブーメランパンツの男は涙目になりながら必死に声を出した。


「……」


 瑠璃菜は攻撃体勢から警戒体勢に切り替えて距離をとり始める。


「……改めて、超人老害伝説にようこそ!!」


 ブーメランパンツの男が言葉と同時にマッスルポーズとモヒカンスマイルを決めた瞬間……。












「!!」


 瑠璃菜は反射的にブーメランパンツ目掛けて蹴り上げた(よいこの皆は真似したら駄目だよ)。


「ふごおーーーーーーーーーーーーーー!」


 ブーメランパンツの男は膝をついてプルプルと震え出して苦しみ始める。


「……」


 瑠璃菜はブーメランパンツの男を変質者か変態だなと判定した。


「……」


 これで悪は滅びたなと思い、満足した様子になる。




「……すいません、あなたには害することはしませんので、攻撃しないで下さい」


 ブーメランパンツの男は瑠璃菜に足をプルプルしながら土下座し始める。

 

「……」


 瑠璃菜はジト目でふむふむと頷く。




「……ふう」


 ブーメランパンツの男は呼吸を整え始める。


「……」


 瑠璃菜は無表情で様子を見始める。


「改めて、超人老害伝説に来ていただき、ありがとうございます」


 プーメランパンツの男が優しい声で頭を下げ始める。


「?」


 瑠璃菜はハテナを浮かべる。


「ゴールデンウィーク中に来てくれて、大変嬉しいんだが……」


 ブーメランパンツの男は言葉をつまらせた様子になる。


「おやあ、お客さんかい」

「!?」


 瑠璃菜の目の前にビキニの水着を着た体格の良い、ブーメランパンツを履いた女性が現れた。


「ああ、警戒はしなくて、大丈夫だから」


 優しい声で女は言う。


「……」


 瑠璃菜は女性を見てペコリとお辞儀をする。


「……あなた、声が出せないの?」


 女は瑠璃菜に聞く。


「……」


 瑠璃菜は頷く。


「チャットシステムと連動すれば話せなくても、伝えられるよ」


 優しい声で瑠璃菜に伝える。


「……」


 瑠璃菜はシステムを開き、チャットシステムと連携をし始めた。


「……(始めまして瑠璃菜です)!」


 伝えたいことがメッセージで表示された。


「音声もつけることが出来るから、後で試して見ると良い」


 女性は優しい笑みを浮かべて言う。


「……(なるほど)」


 瑠璃菜のメッセージが表示されて、ふむふむと頷く。


「さて、あんた! 言葉を詰まらせずにはっきりといいなさい!! 男らしくないぞ!!」


 女性は力強い声でブーメランパンツの男に言う。


「……いやあ、でもな」


 ブーメランパンツの男はモヒカン部分をポリポリとかき始める。


「あんたの◯◯を飛び蹴りで潰すよ」


 女性は殺意向き出しでブーメランパンツを見る。


「……」


 ブーメランパンツの男が無言になり、言葉を詰まらせる。


「……」


 瑠璃菜はどうしたんだろう? という様子で2人を見る。


「……あなた、名前は?」


 女性は優しい声で瑠璃菜に名前を聞く。


「……(瑠璃菜)」


 瑠璃菜はチャットで伝える。


「瑠璃菜ちゃん、超人老害伝説はゴールデンウィークにゲームが終わるのは知ってるかな?」


 女性は瑠璃菜に聞く。


「……」


 瑠璃菜は頷く。


「どうして、超人老害伝説に来たの?」


 女性は不思議そうな様子で瑠璃菜を見る。


「……(何となく広告を見て来た)」

「……」


 瑠璃菜はチャットで答えた。


「瑠璃菜ちゃん、申し訳ないんだけど、この超人老害伝説は中身が全くなく、ハリボテのゲームなの」


 女性は申し訳ない表情ではっきりと伝えた。


「?」


 瑠璃菜はハテナマークを浮かべる。


「余は、超人老害伝説は全く出来てない状態でリリースされてるのよ」


 女性は瑠璃菜に伝える。


「……」


 ふむふむと頷く。


「おいおい、そこまで言わなくても……」


 ブーメランパンツの男も女性の言うことを止めようとする。


「期待されても困るからね」


 女性は無表情で言う。


「……」


 瑠璃菜は考え始める。


「そういうわけで、帰りな」


 優しい声で女性は言う。


「……(本当に出来ること何もないの?)」


 瑠璃菜は聞く。


「何もないよ。あるのはマッスルポーズとスマイルぐらいしか提供が出来ないかな」


 女性は渋い表情で瑠璃菜に伝える。


「……(ゴールデンウィーク中だからイベントはないの?)」


 瑠璃菜は女性、ブーメランパンツの男に伝える。


「瑠璃菜ちゃん、残念ながら楽しめるコンテンツはないかな」


 女性は残念な様子で伝える。


「……あるとしたら、ゴールデンウィーク3日間で行われる。ゲームメーカー対抗で行われるマッスル老害フェスティバルくらいかな」


 ブーメランパンツの男が言葉にする。


「!?」


 瑠璃菜はブーメランパンツの男が言う[マッスル老害フェスティバル]という言葉を聞き、目を輝かせる。


「あんた! そのイベントは参加しても。瑠璃菜ちゃんが恥をかくだけだろ!!」


 女性はブーメランパンツの男に怒り始める。


「……ああ、そうだな」


 ブーメランパンツの男も頷き納得した。


「そういうわけで何もないから」

「……[良し! 決めた!!]」

「「!?」」


 瑠璃菜はわくわくした様子で音声チャットでメッセージで伝える。














「[マッスル老害フェスティバルで1番をとるぞ!!]」


 わくわくした様子で瑠璃菜は音声チャットで言う。


 ここから[超人老害伝説]は瑠璃菜によって、新たな伝説が生まれるとは誰もが思わなかった。


 物語はここから大きく動き出す。

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