第2話 とりあえず探して見るかな

 「?」


 瑠璃菜はゲームという単語を聞いてハテナマークを浮かべる。


「こうちゃん、みほちゃんとは基本ゲームとかしてないんだよね?」


 真理は瑠璃菜の蒼い瞳を見る。


「……」


 瑠璃菜は無表情で頷く。






 真理と瑠璃菜の関係は歳が離れているが友達のような感じである。


 最初の私と真理の出会いは小学校の授業参観の時に「やあやあ、瑠璃菜ちゃんいる?」突然やってきた。


 その時の私は良くわからない様子で手を上げると「こうちゃん、みほちゃん職場から授業参観出る為に脱走しようとしていたから、代わりにあたしが授業参観きました」と伝えられた。


 私は恥ずかしい様子で授業参観を受けて、その後、仕事で力尽きそうになった幸助、美保に私と真理に説教が始まりオラオラタイムになっていた。


 そこから、何故か真理が良く家に遊びに来てる。




「しかし、瑠璃菜ちゃんも大きくなるのが早いね」

「!?」


 瑠璃菜は昔の出会いを思いだしていると不意に真理は抱きしめて頭を撫で始める。


「……」


 瑠璃菜は気持ち良さげな様子で真理の体を委ねるように抱きしめ返す。




「良し! 充電完了!!」

「……」


 真理はゆっくりと瑠璃菜から離れて笑顔を見せる。


「……」


 瑠璃菜は頷き笑顔を見せる。


「高校生になったんだから、ゴールデンウィークだけでも、こうちゃん、みほちゃん、いない間に少し羽目を外しなよ」


 真理は優しい笑みを浮かべて瑠璃菜の蒼い瞳を見る。


「?」


 瑠璃菜は首を傾げた。


「そういうわけでゲームをやれ!」

「!」


 真理は瑠璃菜の両肩を掴んで圧力のある笑顔で蒼い瞳を覗き込んだ。


「……」


 瑠璃菜は圧力に負けて無意識に頷いた。


「それじゃあ、やるゲーム決めたらあたしにメールくれ!」

 

 真理は笑顔で瑠璃菜に言う。


「……」


 瑠璃菜は無表情で頷いた。


「じゃあ、ゴールデンウィーク、こうちゃん、みほちゃん借りて行くね」


 真理はドアをゆっくりと閉めて出て行った。


「……」


 瑠璃菜は相変わらず真理は強引だなと思いつつ、台所に行き冷蔵庫から食材を取り出して夕食を作り始める。





「……」


 出来たと明るい表情を見せる。


 瑠璃菜はしじみ汁、鶏のむね肉、ツナサラダ、麦飯を綺麗に盛り付けて行った。


「……」


 瑠璃菜は椅子について、いただきますと口をぱくぱくして言いお辞儀をする。


「……」


 ゆっくりと噛んで行き美味しそうな幸せな表情を見せていた。


 



「……」


 食べ終わったら洗い物を終えて、風呂に入って、上がった後は歯磨きして、部屋に戻って行った。


「……」


 ベッドでゴロゴロしながらスマホを開いて動画を見始める。


「……」


 真理がゲームをやれと言われてもなと思いながら動画の広告を流し見する。


 良く真理が遊びに来る度にゲームをやるぞ!と言い始めて家族3人を巻き込んで始めたりするからな。


 真理はゲーム素人である私達を容赦なくぼこぼこにして行くからな。


 他にも色々と過去のネタはいくらでも思いだしそうなのでここでやめようと瑠璃菜は思い始めた。




「……」


 瑠璃菜はそろそろ寝ようとスマホの動画を閉じようとする。













[肉体を極めし強者達よ集え!!]

「!?」


 突然、厳つい声で黒いシルエット状の画面が流れ始め、瑠璃菜は動画広告に視線が向いた。

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