第2話 生き延びちゃったよ。初採用!
そんなこんなで辿り着いた城下町。
でも、城門を見たのは覚えてます。
ただ、そこからブラックアウト。
……気がついた時は、見知らぬ天井でした。
「あれ? ここ、何処?」
僕のその答えに、白衣のローブを着た人が答えてくれました。
「ここは城下町にある、ファナーデ総合施術士院です。」
え?ファナーデって、僕が派遣ギルドに最後に来た面接がある所。
城門を見た所までしか憶えてないんだけど…
「あの、僕は城門を見た所しか憶えてません…
僕はいつ、城門を通過したのでしょうか?」
その問いに、白衣のローブを着た人は答えてくれました。
「貴方は行き倒れていたのです。 城兵が気づかなかったら、貴方は1ミニッツでお亡くなりになられてましたよ?」
え?ま、そこで亡くなってたとしてもいいんだけど、聞かずにはいられない!
「現在は何ミニッツですか?」
面接時間が気になる…
「貴方が運ばれてから、2日と12ミニッツになります。」
刻の神 「この世界では、24ミニッツが1日。それ以外は存在しないのだ! つまり、時計は24ミニッツしか奏でない。1日を解らせるのは、自分が朝か夜かをその日で憶えて記入するしかない!
その為に目覚まし時計の音はでかいのだ。12ミニッツに1回鳴るのだからな!
だから起き切れなければ、1人1人のズレが生じる訳だ。朝が来る→夜が来る→朝が来る。 以上!」
僕はそれを聴いて絶望した。
面接落ちた…
そしたらブチ切れた。
「それなら放っておけば良かっただろ!…それなら、生き延びても苦しみが残るだけじゃないか。……」
白衣のローブを着た人は、こう言いました。
「私が君を助けた理由は、悪いが君の携帯水晶を見させてもらったからだ。」
ぇ? あの、話が分かりません。……
どう考えてもさっぱり解らん!
「言っときますけど、僕に払えって言っても無駄ですからね!」
そんなブチ切れた僕を見て、白衣のローブを着た人はこう言いました。
「あははははWWWWWWWWW」
何がおかしい?
僕が臨戦態勢に入ったのを見て、
「あぁ、ゴメン。」
そして次の一言が、僕をびっくりさせた。
「君は、面接先の名前を見てなかったのかい?」
そうして僕の携帯水晶を返してもらって見た派遣ギルドの面接先は、(ファナーデ総合ギルド)
「で?ここは?」
ムカっときたので「ファナーデ総合施術士院でしょうが!!」
「はいはい、ゆっくり深呼吸して?施術士院とギルドを無くしたら、何が残るのかい?」
……気がついた!
両方「ファナーデ総合。」
白衣のローブを着た人は嬉しそうにこう言った。
「これから君の専属医師になる、アミィと申します。」
なんか、言葉使いが変わった。
声質も変わった。
「…あの、アミィさんって男性ですよね?」
失礼は承知。背がちっちゃくて声が女の子な男性がいる世の中だし、聞いてみたんだ。
そしたら────
「あっははははは♪ ヤーい、騙されてや〜んの♪そうだよ♪僕は雌だよー♪ 身長183cm、声は低めだからよく間違われてさ、雄より雌にモテるのさ…(じゅるり)」
そう言うと、アミィさんは僕の耳元でそっと呟いた。
「アタシ、オッパイは結構デカイよん♪ ワイティの事、気に入っちゃった♪ うふふぅっ♪ 」
そしてその後。
「さて、ギルマスに会わせるからおいで♪ 可愛いMYLOVER♪」(ちゅっ♡)
投げKissを放ちながらアミィさんは僕を(ひょいっと)お姫様抱っこしながら扉を開けた。
P.S(その間の涎が滝のように僕に降り注いてたのは内緒ですです。)
刻の声 「次回! 初めて雇用主に会う!」
ワイティ「…びちょびちょで大丈夫なのかなぁ?」
刻の声「ダメでもヒモにはなれるぞ?」
ワイティ「そんな回答、要りませーん!」
刻の声&ワイティ「それでわ、次回でお会いしましょう♪」
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