「月刊市長」
「市長、来週に雑誌の取材を予定しているのでよろしくお願いします」
また秘書が勝手に予定を入れてきた。
「初耳ですわ。勝手に受けないでくれます?」
私はiMacのキーボードを叩きながら返事をする。
「いやー、先方から是非美人の神楽市長にとお願いされまして」
「美人」という言葉に簡単に気を良くする。
「あらそお、なんて雑誌?」
「『月刊市長』です」
聞きなれないワードに文字を打つ手が止まる。
「……なにそれ、需要あるの?」
「はい、いわゆるマニア向けの少部数の雑誌みたいで市長マニアの方々に需要があるらしいです」
「市長マニア」というワードを初めて聞いたわ。世の中にはまだまだ知らない言葉があるものね。
「そこで是非、市長に巻頭水着グラビアでと」
「ちょっと!何で水着になるのよ」
「水着グラビアは創刊以来2人目になるらしいです、名誉なことですよ☺️」
1人目誰よ……気になるわ……
「毎月20部ほど発行してるらしいです」
出版不況の昨今によくそんな部数で続けてること…
…お金余してるわね
「まあいいです、お受けしましょう。私のグラビアが載るなら1000部は行くでしょうから」
私はいつも通り強気に返す。
「流石です市長。先方に伝えておきます」
秘書はとても満足そうだった。
ムカつきますわ。
翌週、グラビアの撮影と取材も無事終わり後日雑誌は発刊された。
その月の「月刊市長」は全国の書店から即日完売した。一部の本屋で乱闘騒ぎがあったり、初版にプレミアがついたりと色々あったが
最終的に総部数は3億を越えたと言う。
市長「ハ○ーポッターって凄いわね」
超本宮中央市長!神楽美和子は眠らない。 @R2mix
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