『ゆやの家』は、感染する――
- ★★★ Excellent!!!
五感に訴えかける情景描写に、まるで自分もそこにいるかのように錯覚しました。
YouTuberもChatGPTも存在する現代的世界観において、ゆや君の家を取り囲む昭和や平成初期を思わせるどこかノスタルジックな空気感がちぐはぐな怖さを演出していて良かったです。
印象的だったのは、ホラーによくある「人の本質を炙り出す」ような場面がこの作品にはなくて、それぞれがちゃんと人間の「皮」を被ったまま物語が終わっていくところでした。
読者の目に見える範囲での物語は終わったけれど、この世界では日常はずっと続いていて、ゆや君の持つ力や作り出した怪異が静かに周りを侵していくのだろうなというゾクリとした予感を抱かせます。
寅彦君とゆや君のあたたかい交流に心癒されました。
面白かったです!